人魚姫に貢いで良いですか？【太宰治】

11：声は嫌いだけれども ページ11

「なんか嬉しそうだね。」



頷くとみんなは何かあったと察して、良かったねーと言ってくれた。治さんの優しさが嬉しかっただけなのにね。



「Aは普段あんまり喋らないし表情変わらないけど、喋るとハスキーボイスでギャップ可愛いし笑うと可愛いし少しだけ表情に出てると可愛さ倍増なんだよねー。」

「分かる！！」

「ホントになあー可愛い！！」

「可愛すぎる！！」

「あ…ありがとう…。」

「はぁ、可愛いのにハスキーボイスはズルいわー。」

「ギャップ可愛い萌えヤローめー！！」




可愛い顔なのに声が残念と昔から言われ続けて、声がコンプレックスになっていた。そのせいで好きな人に告白したら、影で声のことを笑われてしまって人と話すのが苦手になってしまった。声を出すのも…聞かれるのも嫌になってしまった。
なのに…高校の入学式の日の自己紹介は地獄でしょうがなかった…。
けど…周りはみんな何言わず、笑いもしなかった。今の友だちはその後に



「可愛いすぎる！！」

「可愛い顔してハスキーボイスってギャップが可愛いし萌える！！」

「めちゃくちゃ可愛い！！」

「こんな可愛い顔とギャップはない！！」



と言ってくれた。自分の声が苦手で大嫌いで…コンプレックスで…あまり声を出したくないと伝えると、それでも良いと言ってれた。それでも仲良くしてくれると言ってくれた。



「ありがとう…。」

「んー？何か言ったー？」




何でもないと、首を振ると変なのと笑われた。




治さんの時とは違う嬉しさが込み上げた。

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