21. 少女のお皿 ページ23
「はい皆ー、ヴルストのせカレーだよ」
Aの声と同時にコトリと小気味良い音が卓上に響いた。
昼食はセレナの希望でA特製カレーである。
そして「いただきます」と手を合わせれば、大量に鍋にあった筈のカレーはみるみる内に消えていく。
育ち盛りって凄いな、と感嘆しつつAが取りすぎたカレーを頬張っていると、横から残念そうな声色が聞こえた。
「あれ、もう無くなったのか…早いな」
どうやらカレー争奪戦にうっかり乗り遅れたらしいカルムの声であった。
その声を聞いたAは目の前のカレーとカルムを見る。
しばらく考えた後、カルムの裾を引いた。
「…カルム君、私のいる？私には多すぎるからさ、良ければ半分あげるよ」
半分になったカレーを指差して、Aはあっけらかんと言い放った。
無論、それが意味することは“間接キス”である。
無知なAはそれこそ残念なことに知らないようだが。
そんなAとは違い、勿論その意味を理解しているカルムは酷く動揺している。
「………え、でも、…え？それって、」
これ程までに狼狽するカルムは珍しいので、セレナがこっそり写真を撮っていたことは誰も知らない。
カルムの返事がないことを了承とみたのか、Aは分けられて半分になったカレーを完食する。
「ついでにそのお皿洗っておいてね」
Aはそう言い残し、軽やかな足取りでフライゴンと戯れに向かって行った。
「…………」
「ハァ……カルム、聞いて。
当分の間は夜道に気を付けること。
絶対にチャンピオンリーグには近付かないことが一番の得策よ、あなたの無事を祈るわ」
絶句しているカルムに近寄ったセレナが、不穏すぎる言葉を残してAの元に忠告をしに行った。
「……うん」
カルムの背に嫌な汗が伝う。
(オレ、この事があの人に知れたら夜道で刺されたりしないか……？)
そんな漫画みたいな展開がある訳がない、と笑い飛ばそうとしたかったのだが、
…あの人なら恐らくやりかねない。
とにかく夜道とリーグに気を付けなければ。
カルムはしっかりと心のメモに書き留めた。
……万が一にも忘れないよう、蛍光マーカーでも引いておいた方が良いだろうか。
「何で……？」
「ガブガブァッ！！」
その頃Aは、ガブリアスに説教を受けていた。
こればっかりは仕方がないので、フライゴンも呆れ顔だ。
Aはもう少し怒られていればいい、とフライゴンはため息を吐き出した。
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の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 私ポケモンとポケモンにでてくる人達全員推しなので嬉しいです！Ｎ出てきただけで泣きそうです……出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。更新楽しみにしてます！ (10月20日 17時) (
レス) @page15 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
レイン - そうなんですか、大変ですね。いつでもエエので更新待ってます！落ち着いてからでエエので！ (2020年3月10日 17時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千弦、 - レインさん» ポク…あ、ポロックですかね？作者はそれしか思い付かないです。ポロックモンスターとは(笑) (2020年1月2日 1時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 霜月千弦、さん» すみません、ポ『ケ』モンがポ『ク』モンになっていました。ポクモンとは ？笑 (2020年1月1日 21時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千弦、 - レインさん» 作者は歴代キャラ好きなのに小説が無い…と思っただけで自己満足用なのですが、面白いと言っていただけて嬉しいです！！これからも頑張ります！ (2020年1月1日 17時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月千弦。 | 作成日時：2019年11月20日 23時
