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半月後




ウォール・マリア奪還作戦の開始に向けての資金調達が始まっていた。




新体制の王政・住民の理解や期待も得られて多くの出資が入ったがそれ以上に経費がかさみエルヴィンと頭を悩ませていた。







「ねぇエルヴィン。今月はカツカツになりそう…」
「本当か?これから馬や装備の調達も控えているというのに…」
「旧体制に関わっていた貴族の資産の差し押さえも始まったけど、差し押さえた物がこっちに回ってくるかどうか…」





ふむ…。と彼が少し考えた。





「支援団体に交渉しようか。」
「うわぁ…本当?分かった。準備しておく。」
「頼む。」









数日後



だだっ広い部屋にカチャカチャと食事する音だけが響いていた。


部屋の中心で食事をしているのはエルヴィンと調査兵団支援団体のトップの貴族。
私は部屋の入口に貴族の護衛のムキムキのオッサンと並んで控えていた。






_____そっちも強そうだな…一回手合わせしようよ





チラチラとムキムキの護衛を見ていると部屋の中心で会話が始まった。









「ウォール・マリアの奪還は成功しそうなのか。」
「はい。何としてでも奪還してみせます。住民や王政の期待も高まっている今が奪還へのチャンスと我々は捉えております。兵団の全勢力を持って敵を殲滅し人類の勝利を勝ち取ります。日ごろからのご支援、感謝いたします。」
「ウォール・マリアを奪還すれば資源も豊富に得られる。期待しているぞ。」
「ご期待に添えられるよう精進したします。」







しばらく食事が進み「おい__」と貴族が声を上げた。






「はい。」





隣にいた護衛が動き大きなバッグを持ってエルヴィンの前に立った。



バッグを受け取ったエルヴィンが中を確認すると大量の札束。





「こんなにたくさん…」
「…」
「…A。」
「はい。」




準備しておいた「お返し」
今回持ってきたのは壁外にしか無い薬草。






つまり___調査兵団しか調達できない代物。







この貴族は医療用の薬で財を築いているのは把握済み。
貴族に渡し中身を確認した奴はニタッと笑った。







そりゃぁ、喉から手が出るほど欲しいよね。






「ほぉ…これはまた珍しい物を。」
「日ごろのご支援の「感謝の気持ち」です。お受け取りください。」
「あぁ。いただこう。」

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サキ(プロフ) - はじめまして。最初は長編なので少しずつ読もうと思っていたのですがあまりに投稿者様の文才が素晴らしくて最後まで一気に読み切ってしまいました。いままで物語を読んでこんなに泣いたのは初めてです。そして完結お疲れ様でした。ありがとうございました、 (2020年9月26日 0時) (レス) id: 18417183d4 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。最後までお互いを想う夢主とエルヴィンがかっこよかったです。めちゃくちゃ感動しました。二次小説でこんなに泣いたのは初めてです。ありがとうございました。 (2020年6月18日 17時) (レス) id: 8d864751da (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 最後まで読ませていただきました。最高です。泣きました。語彙力が無くなるぐらい素晴らしい小説でした。最期まで夢主を想うエルヴィンがほんっとにカッコよかったし素敵でした!感動をありがとうございました! (2019年12月28日 21時) (レス) id: dd11928539 (このIDを非表示/違反報告)
MAO(プロフ) - ラストは、涙が出て止まりませんでした!感動する話でした。ありがとうございます! (2019年11月15日 10時) (レス) id: 4d3a61d5d2 (このIDを非表示/違反報告)
にし(プロフ) - 完結お疲れ様です。ラストの方で号泣しました!ほんとに、小説でこんなに涙を流したのは久々です!素敵なお話をありがとうございました。 (2019年9月22日 23時) (レス) id: 42ce589bfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゅく子 | 作成日時:2019年8月20日 21時

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