89 ページ44
「今回の壁外調査で情報は得た。まずエレンの顔を知っている。ただ、一度や二度見ただけで、同じ格好で行動している調査兵団から見つけ出すのは困難。これで絞られる。」
初期位置を間違えて知らされたとしても途中から進路を変更して
大量に居る兵士の中からエレン一人をピンポイントで当てるのは不可能
「エレンとかなり関わりのある…もしくはあった人物。トロスト区での戦いでエレンの近くに居た人物。5年前から遡ってシガンシナ区出身の兵士。シガンシナ区担当だった兵士。これは多分あまり多くは残っていないはず。あと…エレンと同期の訓練兵。辺りかな。担当を決めて。」
事前に準備しておいた名簿の山を漁っていると後ろで担当決めが始まった。
「…あぁ。あったあった。これが訓練兵同期の名簿。現在の配属先も入っている。今調査兵団に居る人は除外して。あとこれがシガンシナ区担当だった兵士。5年前私が作った報告書だから、生き残った人の名前があるはず。ただ、シガンシナ区出身が一番面倒だね…。女型の可能性は薄いけど無いとも限らない。エレンと親交があった人に絞りたいけど本人に今は聞けないし…。」
「Aさん。それは自分の担当が終わった人が随時調べるようにしましょう。」
「そうだね。分かった。」
「私は負傷中という事になっていて外は歩けない。みんなが頼り。かなり遠くまで行く人もいるけどお願いね。」
「了解!」
着替えた仲間がゾロゾロと出ていく。
ふぅーと椅子に座り天井を見上げた。
____女型だからな…やっぱり中身も女の人?男の人だったら気持ち悪いな…と1人で考えてフッと笑った。
太陽が沈み、夜になった。
帰ってきたのは最後の1人
「Aさん。戻りました。」
「おかえり。一番遠い所ありがとう。」
「いえ…敵を見つける為ですから。これが姿を確認できた人物です。休みを取っていた人は見つけられませんでした。」
「うん。大丈夫。他もそういう人いたから。仕方ないよ。私があとはやるからもう戻ってゆっくり休んで。壁外調査終わってからすぐ動いてくれてありがとう。」
「いえ…よろしくお願いします。お疲れさまでした。」
ドアから出ていく背中に手を振った。
さて…と名簿の山を見つめる。
日中だから出勤していた人が多い。これならかなり絞れるはず。
腕まくりをして紙を手に取った。
34人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じゅく子 | 作成日時:2019年8月14日 21時