白羽の矢が立つ 2 【呪術廻戦】 (ページ22)

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虎杖「…」

時折虚しくなる

俺はAを抱きしめながらそう思った。

虎杖「あはは、」

『…なに？』

虎杖「いや、泣き顔も可愛いなって思ってさ」

『………』

虎杖「すげぇ不満そうな顔！！」

Aは俺を見てるようで、見てない

求めてるのは俺じゃなくて多分＿＿＿

＿＿悠仁は知っといた方がいい

＿＿そんな彼に呪われた女の子がいることをね

Aなんだろ、宿儺に呪われたのは。

わかるぜ、何となく。

そりゃ、生きてきた時間考えるとおかしいのかもしれない。宿儺が生きていた時代と今は全く違う。

それでも、Aが宿儺に呪われたことは何となく、理解した。

虎杖「……A、そろそろ昼飯食いに行こうぜ。俺なんか作るし。食べたいのは……っつってもねぇか」

『悠仁が作るご飯は全部美味しい。』

虎杖「嬉しいこと言うなぁ〜！」

俺は醜い嫉妬を誤魔化すように

Aの髪を勢いよく撫でた。

『恵達も誘おう、大人数の方が楽しいし美味しいはず』

虎杖「＿＿＿おう！」

小走りでみんなの方へ戻って行ったA。

俺はそれを追いかけずに見つめる。

なぁ、A…

お前に俺自身を見て欲しいよ。

俺の向こう側じゃなくて俺だけを見て欲しい。

きっと、俺は…もう戻れないところまで来てる。

虎杖「…おい、宿儺。お前…Aに手ェ出すなよ」

返答は、なかった。