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「思った通り、黒だったな」






銀時達は大柄な男達に囲まれていた




銀時達はあの後、背後から剣を向けられた





「落ち着けよ!俺らは餓鬼を取り返しにきただけだっつーの!」





「餓鬼?ここにはそんなのいないけど?」






敵と応戦中、男の雄叫びの中に妖艶な響きの声






「おーおー、悪女さんのお出ましかい」





「よくこの大勢の奇襲に気がついたわね」





「どっかのアホ女がヒントをぼろぼろ零しやがったんで、それを拾ったまでよ」





「椿さん!あなたの話は全部嘘だったんですよね?」





「今更どうでもいいわ。近頃厄介と話題の白夜叉討ち取れればそれで」





「へぇ、俺の昔の名をよくご存知で?」





「私情報通だから。それより、話してるヒマなんてあるのかしら?」





椿の言う通り




敵はどんどん数を増していく




木陰から溢れだしてくる敵の数





いくら強くても消耗が激しい





段々と傷が増える






「ぐっ!!」




「新八ぃ!!!!」






新八が倒れ込んだ隙に、幾十もの敵が襲いかかる






銀時は急いで新八を助けに入る






「銀ちゃん!後ろ!!!!」




「…!」





神楽の声で我に返る




背後に伸びる影




不味い、木刀は既に新八を囲んだ敵を仕留めている




自分の背後の敵を捌く術はない





斬られるのを覚悟したが





「…」





背中に痛みはない





敵が崩れ落ち、背後を恐る恐る見やると





「お前…」





見た事のある、黒いジャケットに薄栗色の髪






「沖田さん!?」






沖田と呼ばれたその人物は無言で刀を鞘に収め、蔵の方へ歩いていく





すると






「御用改めである、真選組だーー」






別の方向から気の抜けた声が爆発音と共に響く





「ん!?あれ?沖田君、が2人??」





「あれ、旦那じゃないですかィ。どーしたんですかこんなとこで」





「沖田さん、双子とかいたんですか」





「何言ってやがんでィ、そんなんいたら既にペットに調教してらァ」





「じゃあ、その人、は…!?」






新八が指さした、先程沖田と呼ばれた人物





指通りの良さそうな短髪は長髪へと変わり、先程の短髪は形をそのままにして地面に落ちていた






「…総悟ぉぉ!!!」





「うお、何しやがんでィA」





「A?」






振り返り、こちらに顔を見せた人物は






「銀時…」

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作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時

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