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「椿さんも、これからって時に大変ですね」





「まったくネ。私も結婚するなら馬鹿と攘夷浪士は嫌アル」






月が空に浮かび、街も寝静まった頃





銀時達は木陰に隠れ、明かりの灯った蔵を張り込む





新八と神楽がリズムよく会話をしている間






「銀さん、さっきからずっと黙ってどうしたんですか?」






銀時は一向に会話に入ってこない






「…お前ら、今のうちから気ぃ引き締めとけよ」





「え?」





「何アルか銀ちゃん、夜になるとチ○コだけではなく脳ミソまで活発になるアルか?」





「神楽ー、ヒロインがそんなこと言っちゃいけません。」






銀時が神楽の頭に手刀を叩き込む






「お前ら、あの女のこと、どう思う」






「椿さんですか?家族思いで良い人だと思いますよ」





「新八、あいつの最後に言ったこと、覚えてるか」





「最後?」






数時間前、椿が万事屋から出ようとした時だった






「あ、えーっと桜さん?いちおー子供の名前教えて貰っていいです?」






銀時が玄関の戸に手を掛けた椿にそう声をかけた






「椿です。何故お教えしないといけないのでしょう?」





「いやー、一応知っといた方がいいかなって。ほら、仕事を成功させるためにも」





「……太郎と申します」





「なるほど、わかりました。因みに俺の名前は?」





「……」





「そんな面倒くさそうな顔しないで!綺麗な顔と胸が台無しですよ?」





「胸は余計です。坂田銀時さん。はぁ、さっき自己紹介されてましたでしょう。私これから準備があるので、これで」






「はーい。太郎君のことは任せてくださいね」









.








「…何処が変なんですか?」





「俺、あいつに本名名乗ってねぇんだよ」






「あ…!」





「それに、椿の子供、性別はどっちだった?」





「娘って言ってたアル」





「なのに、太郎っておかしくねぇ?」






銀時は口の端をニタリと上げた




月明かりの逆光で、妖しさを増した彼の表情に





新八と神楽は身体を強ばらせた

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作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時

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