第101話 ページ7
〜Aside〜
セルティと静雄がバイクに乗って去っていくのを見ていたら、臨也がこちらを向いて話しかけてきた。
臨也「さてAちゃん、おかえり」
A「えっと、臨也s……ただいま」
臨也「ん? 今『さん』ってつけようとしたよね?」
う、ギリギリのところで言うのを回避したはずなのに、ばれた。
A「してない!!」
臨也「いやいや、明らかにサ行特有の出だしが聞えたけど?」
A「えーっと、違うことを言おうと……」
臨也「違うことって?」
A「え、えっと……」
どうしよう、ここで
『すみません、つけようとしました』
とか言ったら何されるか分からないし、かと言って話を逸らせる自信もないし……。
A「さ……さ……」
臨也「さ?」
うう、臨也さんの笑ってない笑顔が怖い……ちょっと寒気が……。
……ん、寒気、そうだ!
A「寒いなぁって、思っただけで! それがつい口にでちゃって……」
それを聞いた臨也はきょとんとしている。
取りあえず、何とかなりそうかな。
……と思っていたら。
臨也「あっはっは、寒いのか! そっかぁ!」
と大笑いをした。
今度は私がきょとんとしてしまった。
臨也「まあ寒くなってきてるし、夜中だしね。早く家の中に入ろうか」
A「うん、そうしよう」
私たちはマンションのエントランスへ入った。
そこで臨也さんは、なぜか床に転がっているコーラを拾った。
静雄と鉢合わせたときに落としたらしい……。
そのまま来たエレベータへ乗って、臨也さんの家へと戻った。
A「はあー疲れた……」
私は部屋に入るなり、ソファの上に座り、上を向いて寄りかかった。
長かったな、今日の夜は。
仕事はしていないけど、この短時間に色々なことがあった。
臨也「やっ」
A「うわ!?」
突然目の前に臨也の顔が現れた。
A「驚かせないでよ」
臨也「いやいや、こんなに驚くとは思わなかったよ」
そのままソファを半周して、私の隣に座った。
臨也「まだ寒い?」
A「え!?」
思わず声がひっくり返ってしまった。
臨也「さっき寒いって言ってたから」
臨也は笑いをこらえながら聞いてくる。
この状況を楽しまれている気がする。
こっちはどう乗り切るか考えているのに。
A「あーうん、まだちょっとだけ」
嘘は嘘を呼ぶ……。
何てことを考えていたら、私は臨也に引き寄せられた。
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ささ - もう見ていらっしゃらないでしょうけど、完結待ってます…(;_;) (2022年9月1日 8時) (レス) @page33 id: 5b567d925d (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - すっごく面白いです! 完結楽しみに待ってます! (2019年10月20日 19時) (レス) id: dd46f74fc3 (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます!嬉しいです(´;ω;`) それなんですよね!!完全にどっかいってます!もうすぐ主人公ちゃんが戻ってくるので、そこで……きっと……orz (2017年10月23日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 続編おめでとうございます。このシリーズ大好きです!もっといちゃいちゃ増えればいいななんて思ったりして...。続きが楽しみです! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 65cd2a92ba (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - Sora@白楽さん» ありがとうございます!!! 1話に2週間かかってますが、気長にお待ちください……orz (2017年10月2日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せかすと | 作成日時:2017年9月18日 22時