第121話 ページ27
〜Aside〜
A「……え？」
思わず目を見開いてしまう。
いや、考えてみれば、あからさまな態度を取っていたかもしれない。
朝、電話がかかってきたときも、逃げるように部屋へと戻ってしまった。
でも、たったそれだけ……。
臨也「聞こえなかったかな？」
A「あ、えっと……」
応えに迷っていたら、臨也はそのままベッドの上まであがってきた。
そのまま、私に覆いかぶさるように、私の両手首をシーツに縫い留め、両足が動かないように体重をかけてくる。
いわゆる、押し倒されている体制。
そのせいで、部屋の照明が直接見えなくなり、視界が少しだけ暗くなる。
臨也「何かさ、俺のこと避けてない？」
一文字も違わない台詞を放たれたけれど、その顔から笑顔は消えていた。
赤みを帯びた目で真っすぐ見つめられて、思わず目をそらす。
A「……どうして、そんなこと？」
臨也「逆にさ、話してるのに何で目を合わすどころか、こっちを向いてくれないわけ？」
A「……別に、なんでもないですよ」
臨也「……またそのクセ」
A「え」
臨也「気づいてないんだろうけど、君は嘘をつくときにほぼ必ず、首を右に傾けるんだ」
A「え、あ……」
自分の体の状態を意識してみると、私の首が右へ少し傾いているのが分かった。
首が傾くということは、視界が少し斜めになるはず。
だけど、私はそれに気づいていなかった。
自身でも感じ取れないほど、ささいな傾き。
波江にすら指摘されなかったことを、臨也は簡単に見破った。
臨也「それで？ 俺を避けてた理由は？」
A「………………」
逃げ出したい気持ちで一杯だけど、四肢の自由を封じられたこの状態では、どうあがいても不可能なことは明白だった。
……正直に話してしまうのが、一番なのかもしれない。
けれど、聞かれたくない、臨也に。
なら、いっそのこと死んでしまおうか？
どうせ私の人生は半分つんでいる。
思い残すことは、これといって思いつかない。
もうどうにでもなれ、と思いながら、私は舌をかみちぎろうと、口から大きく息を吸った。
その瞬間。
A「…………！？」
覆いかぶさっていたとはいえ、少し離れた位置にあった臨也の顔が、今目の前にある。
更に、口に温かくて柔らかな感触がある。
そして3秒後、私は理解した。
今、臨也にキスをされているということを。
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ささ - もう見ていらっしゃらないでしょうけど、完結待ってます…(；＿；) (2022年9月1日 8時) (
レス) @page33 id: 5b567d925d (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - すっごく面白いです！ 完結楽しみに待ってます! (2019年10月20日 19時) (レス) id: dd46f74fc3 (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます！嬉しいです(´；ω；`) それなんですよね！！完全にどっかいってます！もうすぐ主人公ちゃんが戻ってくるので、そこで……きっと……orz (2017年10月23日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 続編おめでとうございます。このシリーズ大好きです!もっといちゃいちゃ増えればいいななんて思ったりして...。続きが楽しみです! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 65cd2a92ba (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - Sora＠白楽さん» ありがとうございます！！！ 1話に2週間かかってますが、気長にお待ちください……orz (2017年10月2日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せかすと | 作成日時：2017年9月18日 22時
