第110話 ページ16
〜臨也side〜
臨也「分かりました、無地の赤いスカーフですね。念入りに探してみましょう」
才我「ええ、それではよろしくお願いしますよ」
わざとらしく、眼鏡を右の中指でクイッとあげる動作をし、ソファから立ち上がる。
才我「それでは、もう遅い時間ですし、ここで失礼させてもらいますね」
臨也「分かりました。何かありましたらこちらにご連絡を」
仕事用の電話番号、メールアドレスを記載した名刺を渡す。
才我「ありがとうございます。ただ、私も多忙なものでして、連絡が取れない場合もあります。なので、その際は秘書に連絡をお願いします。一応、私と秘書の名刺を渡しておきましょう」
大崎氏は、白衣にあるらしい内ポケットから2つの名刺入れを取り出した。
俺の名刺を入れたほうから大崎氏の名刺を、もう片方から秘書の名刺を取り出して、俺に渡してきた。
臨也「ありがとうございます」
大崎氏の名刺をざっと見た後、もう1枚の名刺を見た。
名前は『笠原 慶一』。
大崎氏の秘書のようだ。
いくら岸谷氏の上司とはいえ、白衣を着て研究に勤しんでいるような人が、秘書がつくような立場なのだろうかと疑問に思ったが、ネブラの会社の規模を考えると、妥当なのかもしれない。
才我「では、見送りは結構ですので」
臨也「分かりました。でも、玄関までは見送らせてください」
才我「まあそうなりますよね」
そのまま玄関へと向かう。
才我「それでは、夜分に失礼いたしました」
臨也「いえいえ、お気をつけて」
ドアを開けて外に出る大崎氏。
ドアを閉め始めると同時に、俺は軽く頭を下げて、ドアが閉まる音がするまで顔を上げなかった。
バタン
臨也「……ふう」
小さくため息を漏らす。
まだ外でエレベーターを待っているであろう大崎氏に聞こえないよう、ゆっくりとドアのカギをかける。
そのままリビングに戻り、どさりとソファに座った。
……緊張した。
Aちゃんが酷く動揺するほど恐れている父親が、一体どんなものなのかと思っていたが、案外常識人だった。
いや、あれは外の顔という可能性も十分ある、というかほぼ確実だろう。
取り合えず大崎氏の情報と秘書の情報も手に入れた。
ここから突破口を見つけられれば最高だ。
臨也「……こんな時間か」
何気なく見た時計が、1時半を指していた。
さっさと風呂に入って寝ようか。
俺はソファから立ち上がり、風呂へと向かった。
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ささ - もう見ていらっしゃらないでしょうけど、完結待ってます…(；＿；) (2022年9月1日 8時) (
レス) @page33 id: 5b567d925d (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - すっごく面白いです！ 完結楽しみに待ってます! (2019年10月20日 19時) (レス) id: dd46f74fc3 (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます！嬉しいです(´；ω；`) それなんですよね！！完全にどっかいってます！もうすぐ主人公ちゃんが戻ってくるので、そこで……きっと……orz (2017年10月23日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 続編おめでとうございます。このシリーズ大好きです!もっといちゃいちゃ増えればいいななんて思ったりして...。続きが楽しみです! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 65cd2a92ba (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - Sora＠白楽さん» ありがとうございます！！！ 1話に2週間かかってますが、気長にお待ちください……orz (2017年10月2日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せかすと | 作成日時：2017年9月18日 22時
