第106話 ページ12
〜Aside〜
『ピーンポーン……』
A「…………」
臨也「…………」
突然鳴り響いたインターホン。
動きが停止する
そして沈黙。
臨也「…………は」
臨也は軽く息を吐くと、私から右手を放して起き上がった。
少し私の方を見た後、私から見て右を向く。
方向的に、インターホンを見ているのだろう。
私は寝転んだままなので、ソファの背もたれで見えない。
臨也はため息をつき、ソファから降りた。
私はそのまま起き上がり、インターホンに向かう臨也を目で追った。
臨也「おや、これはこれは……」
インターホンに映っているであろう人を見てつぶやく。
臨也「Aちゃん。申し訳ないけど、カタギではない人の来客だ。部屋に戻って寝るといい」
A「え……」
『ピーンポーン……』
2回目のインターホンが鳴る。
臨也「立てるかい？」
A「なんとか……あっ」
ソファから立ち上がろうとしたけれど、うまくバランスが取れずによろめいてしまう。
臨也「おっと」
いつの間にか私の後ろに立っていた臨也が、私を抱きとめる。
臨也「どうやらだめそうだね」
A「ごめんなさい……」
これだと、部屋に戻るのに時間がかかってしまいそうだ。
臨也「……よし、ちょっと失礼するよ」
A「え？ ……あっ」
視界が急に上へと移り、浮遊感に見舞われた。
そして、臨也の顔と天井が現れる。
これは……お姫様抱っこってやつですかね。
A「ちょ、降ろして……！」
臨也「いやいや、こっちのほうが早いと思うんだよね」
私の抗議も聞かず、そのまま階段を上り、私の部屋についた。
電気のついていない部屋の中に入り、私はベッドの上へと寝かされる。
臨也「よし、大丈夫かな」
ふいに頭を撫でられる。
廊下の明かりが少し入ってきていて、うっすらと臨也の表情が見える。
……優しい微笑みを浮かべている。
A「ありがとうございます……」
臨也「どういたしまして」
『ピーンポーン……』
3回目のインターホンが遠くから聞こえる。
臨也「それじゃあ、おやすみ」
A「おやすみなさい」
臨也は真っすぐ部屋の出口へと向かい、ドアを閉めた。
すぐに、ガチャリと部屋の鍵が閉められる音がした。
私はそこから、沈むように眠りについた。
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ささ - もう見ていらっしゃらないでしょうけど、完結待ってます…(；＿；) (2022年9月1日 8時) (
レス) @page33 id: 5b567d925d (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - すっごく面白いです！ 完結楽しみに待ってます! (2019年10月20日 19時) (レス) id: dd46f74fc3 (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます！嬉しいです(´；ω；`) それなんですよね！！完全にどっかいってます！もうすぐ主人公ちゃんが戻ってくるので、そこで……きっと……orz (2017年10月23日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 続編おめでとうございます。このシリーズ大好きです!もっといちゃいちゃ増えればいいななんて思ったりして...。続きが楽しみです! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 65cd2a92ba (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - Sora＠白楽さん» ありがとうございます！！！ 1話に2週間かかってますが、気長にお待ちください……orz (2017年10月2日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せかすと | 作成日時：2017年9月18日 22時
