第105話 ページ11
〜Aside〜
臨也「反応がないってことは、肯定ということでいいのかな？」
A「…………」
反応できないことが分かっているくせに、そうやって聞いてくる。
でも、事実でしかなかった。
臨也「……そういえばさ、ここの傷、もう塞がったみたいだね」
A「……？」
何の話かと思えば、首筋の右側に手を当てられ、僅かな痛みが走る。
数時間前に、スカーフと同時に切られた傷だ。
触られた感触で、かさぶたになっているのが分かる。
臨也「んー、結構深かったみたいだね。見る限り、ただの切り傷にしては少し傷口が広い」
A「……でも、治ってるなら、良かった」
……あれ。
臨也「お、喋れるようになったね」
普通に声が出た。
落ち着いてきたのだろうか。
臨也「よしよし、声も出るようになったわけだし。もう我慢しちゃだめだよ？」
A「え」
確認を入れるが否や、臨也はまた首筋に顔をうずめる。
そして、首の傷を囲むように、噛みついてきた。
A「……！？ うあ、あああ！？」
感じるのは、激しい痛み。
単純に首筋を噛まれている痛みに加え、傷に刺激が与えられている痛みが重なり、感じる痛みが大きくなっている。
食まれ、吸われ、噛まれを繰り返し、私はただ、喉から押し出される声を出すことしかできなかった。
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A「はぁ……はぁ……」
気が付けば、私はソファに寝転んでいて、その上に臨也が覆いかぶさっていた。
首のあちこちに痛みを感じる。
それに加えて、全体が湿っているためか、ひんやりとした感覚もある。
臨也「……は」
顔を私の首元にうずめたままの臨也も、多少息が荒くなっている。
臨也「……はは、俺としたことが、このままだと…………」
私の横で、臨也が自嘲気味に言いつつ、頭を動かしている。
動きが止まったあと、臨也は言葉を発した。
臨也「君を、めちゃくちゃにしてしまいそうだ」
A「…………っ！」
耳元に直に響く、甘くかすれた声。
思わず私は震えてしまう。
臨也は体を起こし、私の目を真っすぐ見てくる。
逃がさんとするその目は、はっきりと私を射すくめていた。
そのまま、私の右手が臨也の左手に押さえつけられる。
右手が私の左頬に当てられ、ゆっくりと顎へ滑り落ちる。
その顎は軽く撫でられた後、持ち上げられ、臨也の顔が近づいてきた。
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ささ - もう見ていらっしゃらないでしょうけど、完結待ってます…(；＿；) (2022年9月1日 8時) (
レス) @page33 id: 5b567d925d (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - すっごく面白いです！ 完結楽しみに待ってます! (2019年10月20日 19時) (レス) id: dd46f74fc3 (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます！嬉しいです(´；ω；`) それなんですよね！！完全にどっかいってます！もうすぐ主人公ちゃんが戻ってくるので、そこで……きっと……orz (2017年10月23日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 続編おめでとうございます。このシリーズ大好きです!もっといちゃいちゃ増えればいいななんて思ったりして...。続きが楽しみです! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 65cd2a92ba (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - Sora＠白楽さん» ありがとうございます！！！ 1話に2週間かかってますが、気長にお待ちください……orz (2017年10月2日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せかすと | 作成日時：2017年9月18日 22時
