第96話 ページ2
〜Aside〜
新羅「まあ、その罪歌が、今世間をにぎわしてる『斬り裂き魔』の犯人じゃないかって、僕らは睨んでるわけさ。斬り裂き魔事件、知ってるよね?」
A「…………」
新羅「Aちゃん?」
A「……あ、ごめんごめん。半分考え事してた」
池袋で死人を出さずに、ただ人を傷つけるだけの通り魔事件、通称『斬り裂き魔』。
その元凶と思しき罪歌を、ちょっと羨ましいなと思ったなんて、知られたらドン引きされちゃいそうだ。
A「斬り裂き魔のことだよね。もちろん知ってるよ」
話は一応聞こえていたので、それ相応の反応をする。
新羅「でもね、罪歌は5年ほど前に姿を消したんだ」
A「姿を消した?」
今被害が拡大している斬り裂き魔事件、そういえば最近起こってることだ。
私が矢霧製薬に居たときは、特に何の噂もなかったし。
持ち主を操るぐらいだから、もっと前から噂程度ならあってもおかしくない。
でも、何も聞かなかった。
何でだろう……。
新羅「え!? あれぇ!?」
突然新羅が、叫びながら立ち上がった。
そして、持ち主を操って人を斬るという妖刀、包丁の形をした罪歌を手に取った。
A「え!? ちょっと新羅何してんの!?」
セルティ『大丈夫なのか!? こう、心が乗っ取られそうになったりしてないか!?』
私とセルティは、新羅が変な風にならないか、声をかける。
新羅「いや大丈夫。これ罪歌じゃないよ」
A「え!? でも、それを持っている人が確かに暴れて……」
新羅「ほら、2人とも良く見てごらん」
新羅は包丁を私たちの方へ差し出してきた。
私とセルティは、恐る恐る覗き込む。
そこには。
『MADE IN JAPAN 2009』
新羅「何で何十年も前から記録に残っている妖刀が、2009年製なのかな?」
A「……ご丁寧に製作国まで」
新羅「まあ刀だし、十中八九、本物もMADE IN JAPANだろうけど、流石に2009は無いかな」
これは、私たちは偽物をつかまされたということかな。
セルティ『どうなってるんだ……私たちは確かに……』
新羅「信じるよ。僕がセルティを疑うもんか! その男が、罪歌の伝説を知っていて、真似をしたのかもしれないね」
A「でも、これが罪歌じゃないなら、本物は!?」
新羅「どこかにある、ということだね。今も、どこかで、誰かを操り、誰かを斬ろうとしているだろう」
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ささ - もう見ていらっしゃらないでしょうけど、完結待ってます…(;_;) (2022年9月1日 8時) (レス) @page33 id: 5b567d925d (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - すっごく面白いです! 完結楽しみに待ってます! (2019年10月20日 19時) (レス) id: dd46f74fc3 (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - 甘党さん» ありがとうございます!嬉しいです(´;ω;`) それなんですよね!!完全にどっかいってます!もうすぐ主人公ちゃんが戻ってくるので、そこで……きっと……orz (2017年10月23日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 続編おめでとうございます。このシリーズ大好きです!もっといちゃいちゃ増えればいいななんて思ったりして...。続きが楽しみです! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 65cd2a92ba (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - Sora@白楽さん» ありがとうございます!!! 1話に2週間かかってますが、気長にお待ちください……orz (2017年10月2日 0時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せかすと | 作成日時:2017年9月18日 22時