11 和気藹藹 ページ44
第一印象はクレープを食ってる女。第二印象と言えば馬鹿に尽きる。第三印象も馬鹿。でもそれは、何処か掴み所の無さを演出されてる様な気もする。五条みたいな感じで。
「相変わらずスッゲェな、A」
「しゃけ」
「長物は得意らしいですからね」
当然の様に真希さんと互角の勝負を繰り広げる霊群。それを当然の様に見ている伏黒達。
呪具の扱いなら学生一の真希さん。その真希さんと何分も戦える霊群は、相当強い。確かにそんな感じはしてた。任務は殆ど一人で特級と遭遇したのに頭打っただけで帰って来た。
「大丈夫なんですかね？頭打ってるのに」
「……だな。よく見るといつもより可動域狭いし」
「高菜、すじこ、ツナ」
「確かにな。長巻じゃねえってのもあるか」
あれで！？有り得ない。真希さんと互角と言うか、何方かと言うと霊群の方が有利だ。
これで本調子じゃないなら、本調子の時は勝つって事じゃないの。真希さんは二級くらい……
「霊群って何級なのよ」
「んー？彼奴は等級持ってねえぞ？」
「はあ？なんで？」
真希さんみたいに家系が邪魔してる？霊群って苗字聞いたことあるし、実家の話してたし。
私が理由を問うと、皆バツが悪そうな表情をした。霊群をチラチラ見た伏黒が話し始める。
「霊群は五条先生に付いてる。そして入学していなかった。そしてお兄さんの事もある」
「……お兄さん？」
「霊群には四歳上の兄がいるんだ。東京校の出で、今は一級呪詛師だ」
「はあ？」
家系から呪詛師を出しているから、四級とすら名乗らせないのか。五条にも付いてるから？
明らかに上の嫌がらせじゃん。私が何も考えられないでいると、パンダ先輩が口を動かした。
「百鬼夜行から呪詛師になったんだ。その時先輩は三年生で、呪詛師と手を組んでいた。
普通に呪術師から呪詛師に寝返った訳じゃないから、上の連中は許す気がないらしい」
『序に私も、許す気無くしたんだろうねー』
霊群は手合わせを終わらせて、私たちの所に戻って来ていた。全く気配しなかった……
聞くべきじゃないと分かっていても、私はアンタも何かしたの？と聞いてしまっていた。
『霊群家は"犬神持ち"で、私は３００年ぶりに取り込めた人間。ジジイ共は邪魔なんだよ』
何時もよりも低い声で、意地悪く笑っていた。
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片喰 - 五条先生…！一体、何円払ったんだ！ 続きが待ち遠しいです！ (2021年3月5日 17時) (
レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2021年2月28日 21時
