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学長の手の中にある札が上下に動く。上げては下げたり、下げては上げたり。相変わらずの声で、相変わらずの片言具合で、ダダダダンと言っている。
この人は既に、合格の有無を決めているのだろうか。決めているにしては長すぎる。我慢ならず欠伸をかますと、学長の顔が強ばった後に、合格の札が上げられた。
「合格だ」
今までで一番、学長の声がクリアに聞こえた。否、学長の声そのものがクリアだったのか。
夢から覚めた様な爽快感。やっと呪術師として、一歩を踏み出せたんだと思う。虎杖を失った後に、っていうのがちょっと悲しいけど。悟のいいものに期待するしかないな。
「制服はもう用意してある。職員室に取りに行け、悟が持っている筈だ」
『はい。改めて宜しくお願い致します』
決意を込めた言葉。呪術師としてこれから、二歩も三歩も何百歩も進む為の誓い。
誰も失わない世界を創る進路を描いた未来地図。それは私の成長とともに描かれていく。だから、成長しなきゃ。でもその為に無理はしない。私らしい私を成長させる。
「早速だが、等級を決める任務に行ってもらわなければならない。何時がいい？」
『マジで早速ですね……』
「明らかに時期がズレてる。だからもう何時でもいい」
『じゃ、悟に聞いてから決めますねー。今日は私の任務に行ってもらってるんでー』
ツカツカと靴音を立てながら扉まで行き、その勢いのまま扉を前蹴りした。
背後にある学長の呪骸に呪力が篭った様な気がしたが、近づいて来ることはなかった。但し学長の口から罵倒が飛びかう。今日から生徒になった子に言う言葉じゃなかった。
『入学祝いの金使っていいんでー！サイナラー！』
「つまり俺の金を使えと！」
外に出た時、学長の怒鳴り声が聞こえたけど気にしない。
＊
ｉｎ 職員室
『しっつれーしまーす！悟は居ますかー！』
「五条さんは任務に行ってますよ」
伊地知さんがわざわざ私の所までやって来てくれた。もしや、悟に頼まれた？悟は私が入学するって分かってそうだし。って事は、伊地知さんに聞けば制服が手に入ると！
『私の制服知ってます？』
「あ、はい。五条さんが置いて行かれましたよ」
『ありがとございまーす！じゃ、失礼しましたー！』
扉を閉める時、先生たちに見られてたけど気にしない。
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片喰 - 五条先生…！一体、何円払ったんだ！ 続きが待ち遠しいです！ (2021年3月5日 17時) (
レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2021年2月28日 21時
