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第11話『怒り』 ページ12

杏奈side

え、違う。

私は少し困った。

真理子ちゃん、どうして怒ってるんだろう。

勘違いしてるからか・・・。

彩ちゃんが口を開く。

「なんでマスクをかけてきたのか、私は知らない。外した理由もわからない。話してたのは、駅にできたビルのこと。美門くんが入ってきた時、たまたま私がここにひとりで座ってたから、駅で見かけたことを話してきただけだと思うよ」

真理子ちゃんは、疑わしそうな目で彩ちゃんを見た。

「ほんとだよね!?」

私は彩ちゃんを庇うように、彩ちゃんの前に立つ。

「真理子ちゃんには関係ないじゃんか。彩ちゃん答えてくれたのに、疑うなんておかしいよ。信じられないなら、最初から聞かなきゃいいでしょ」


.


彩side

少し喧嘩腰の杏奈ちゃんに、私は驚いた。

私ために怒ってくれてるのかな。

「この前も思ったけど、神崎って、結構、当たり強いよな」

「思ったことはっきり言うタイプっぽもんな」

「でも、全部正論だよ。人を傷つけるようなことは言わないし、デリカシーあるもん」

「曲がったことが大嫌いなんだろうな」

そんな声が聞こえてきて、私はハラハラした。

またこの前みたいなことが起こったら嫌だから。

私は意を決して口を開いた。

「信用出来ないんだったら、本人に聞けば?」

翼に聞いたら何を言うかわからない。

鼻のことは言わないにしても、それをごまかすために、私が言ったこととは違う話をするかもしれなかった。

だから、かなり危険だったんだけれど、さっき真理子は、翼の耳を気にして声を潜めた。

つまり、自分の言っていることを、翼に聞かれたくなかったんだ。

だとすれば、自分から翼に聞きにいくことは絶対にない。

そう計算して踏み切った。

そのくらい言わないと、しつこいこの質問から逃れられそうになかったから。

私は、息をつめて真理子の様子を伺っていた。

すると真理子は、私にちかづけていた体をゆっくりと起こし、

「ふうん。」

そう言いながら、くるっと翼の方を向いた。

「ちょっとツバサ、今、立花と杏奈となんの話ししてたの」

わっ、計算、狂った!

第12話『宣戦布告』→←第10話『誤解』



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アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです! (5月11日 21時) (レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです!このまま、ストーリ続けてください。(あれ、完結してたっけ?)少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友(恋人?)ダァーッ! (5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 面白すぎです!私はアーヤと若武推しです! (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まこさん» ありがとうございます!!黒木くんかっこいいですよね! (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです! 私も黒木くん推しです! 更新待ってます! (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年3月13日 20時

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