第36話『落ち込む』 ページ37
杏奈side
私は一週間後の土曜日に向けて、黒木君と小塚君と一緒に携帯で連絡を取りあって曲を決めて行った。
でも、黒木君も小塚くんもたくさん意見を出していて、たくさんの音楽を知っているのに、私は全くわからなくて、ちょっと調べただけで音楽なんてわかる訳もなく、私は全然役に立てていなかった。
たくさんの音楽を調べて聴いてみても、どんな曲がいいのかもわからないし、土台の曲を決めたらそれをアレンジまでしないといけない。
私はどれにも参加できる気がしない。
せっかく彩ちゃんが繋いでくれた仲なのに、役に立てなかったらKZに入れないかもしれない・・・。
でも、どうしたらいいのか分からない・・・。
私は悩みに悩み、この3日なかなか眠れていなかった。
「杏奈ちゃん、目の下にクマできてるよ?ちゃんと眠ってる?」
お昼休み。彩ちゃんとお昼を食べているとそう言われた。
私はヘラっと笑う。
「全然大丈夫だよ!」
「でも、食欲もないみたいだし・・・」
実際、私は食欲がなくて、お弁当をほとんど残していた。
朝も夜も全然食べてないのに、お腹がすいてるのに、何も食べる気にならない。
「ちょっとダイエット中なんだ〜。心配しないで。あ、私ちょっと用事あるから、もう行くね」
私はお弁当箱を片付けて教室に戻る。
彩ちゃんに心配かけたらダメだ。
頑張らないと・・・!
教室に戻ってお弁当箱を片付けると、席についてため息をこぼす。
私がしてあげられることって何なんだろう。
演奏を聞いてても、ちょっと外れてる音があったらそればっかり注目しちゃって曲に集中できないし。
私の耳・・・全然役に立たない・・・。
「神崎、大丈夫?」
私が落ち込んでいると、美門くんが声をかけてくる。
「美門くん・・・」
「元気ないでしょ。黒木も心配してた。『若武がいきなり無理難題を押し付けて困ってるだろうから、美門が励ましてやって』って」
私は図星をつかれて肩をびくつかせる。
美門くんはクスッと笑って、私の前の席に座った。
「そう落ち込むことないって。若武が無茶言ったのは事実だし、まだ完全にメンバーになったわけじゃないんだからさ」
「あはは・・・。ほんと、なんで分かるんだろ・・・」
私は泣きそうになってしまう。
慌てて美門くんから顔を逸らすと、美門くんはスっと真剣な顔になり、私の頭に優しく手を乗せた。
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アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです! (5月11日 21時) (レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです!このまま、ストーリ続けてください。(あれ、完結してたっけ?)少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友(恋人?)ダァーッ! (5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 面白すぎです!私はアーヤと若武推しです! (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - まこさん» ありがとうございます!!黒木くんかっこいいですよね! (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです! 私も黒木くん推しです! 更新待ってます! (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2020年3月13日 20時