検索窓
今日:39 hit、昨日:74 hit、合計:357,998 hit

第35話『声をかける』 ページ36

杏奈side


「では諸君」

若武くんが叫ぶ。

「これからカードキーを配る。それを持ってさっさと秀明に行くんだ。そしてさっさと授業を終えて、帰って、俺から出された課題に取り組んでくれ」

私もしっかり頑張らないと!

あ、でも曲を決めるなら、黒木君と小塚くんと連絡先交換しないとだよね。

「わかったな」

押し付けるように言った若武くんに、上杉くんが舌打ちする。

「暴君」

よし、私は2人と連絡先を交換しないと。

・・・って、そういうのっていきなり言ったら失礼かな?

まだ完全にメンバーになったわけじゃないし、個人情報を教えてもらうのは良くない?

私が2人を狙ってるとか思われたらやばいよね・・・。

ああ・・・これは、声をかけていいものなのか。

でも、打ち合わせするの大事だよね。

私は意を決して、小塚くんは上杉くんと話していたので、まずは黒木君に近づく。

「く・・・黒木君」

私が声をかけると、黒木君は私に目を向ける。

艶やかな瞳にドキンと胸が高鳴る。

黒木君って、綺麗な瞳してるなぁ・・・。

「どうかした?」

「あ、えと・・・」

どうしよう・・・。

下心がない連絡先の聞き出し方・・・。

「私、初仕事を頑張ってやり遂げたいの。だから、打ち合わせをするために、黒木君の連絡先を教えて欲しい。いいかな?」

明らかに挙動不審な私を見て、黒木君は少し吹き出す。

「そんなに緊張しないでいいよ。番号くらい教えるよ」

「ほ、ほんとっ!?」

あっさり許可してくれた。

私は嬉しくて頬が緩む。

「嬉しそうだね、神崎」

私たちの会話を聞いていたのか、美門くんが私にそう言ってくる。

「若武と黒木なら、どっちの方がタイプなの?」

私は適当に笑う。

「みんなイケメンだよ。みんなタイプ。みんな大好き。」

おちゃらけた私に、美門くんはククッと肩を揺らして笑った。

第36話『落ち込む』→←第34話『ドレス』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (127 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
247人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです! (5月11日 21時) (レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです!このまま、ストーリ続けてください。(あれ、完結してたっけ?)少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友(恋人?)ダァーッ! (5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 面白すぎです!私はアーヤと若武推しです! (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まこさん» ありがとうございます!!黒木くんかっこいいですよね! (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです! 私も黒木くん推しです! 更新待ってます! (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年3月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。