第35話『声をかける』 ページ36
杏奈side
「では諸君」
若武くんが叫ぶ。
「これからカードキーを配る。それを持ってさっさと秀明に行くんだ。そしてさっさと授業を終えて、帰って、俺から出された課題に取り組んでくれ」
私もしっかり頑張らないと!
あ、でも曲を決めるなら、黒木君と小塚くんと連絡先交換しないとだよね。
「わかったな」
押し付けるように言った若武くんに、上杉くんが舌打ちする。
「暴君」
よし、私は2人と連絡先を交換しないと。
・・・って、そういうのっていきなり言ったら失礼かな?
まだ完全にメンバーになったわけじゃないし、個人情報を教えてもらうのは良くない?
私が2人を狙ってるとか思われたらやばいよね・・・。
ああ・・・これは、声をかけていいものなのか。
でも、打ち合わせするの大事だよね。
私は意を決して、小塚くんは上杉くんと話していたので、まずは黒木君に近づく。
「く・・・黒木君」
私が声をかけると、黒木君は私に目を向ける。
艶やかな瞳にドキンと胸が高鳴る。
黒木君って、綺麗な瞳してるなぁ・・・。
「どうかした?」
「あ、えと・・・」
どうしよう・・・。
下心がない連絡先の聞き出し方・・・。
「私、初仕事を頑張ってやり遂げたいの。だから、打ち合わせをするために、黒木君の連絡先を教えて欲しい。いいかな?」
明らかに挙動不審な私を見て、黒木君は少し吹き出す。
「そんなに緊張しないでいいよ。番号くらい教えるよ」
「ほ、ほんとっ!?」
あっさり許可してくれた。
私は嬉しくて頬が緩む。
「嬉しそうだね、神崎」
私たちの会話を聞いていたのか、美門くんが私にそう言ってくる。
「若武と黒木なら、どっちの方がタイプなの?」
私は適当に笑う。
「みんなイケメンだよ。みんなタイプ。みんな大好き。」
おちゃらけた私に、美門くんはククッと肩を揺らして笑った。
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アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです! (5月11日 21時) (レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです!このまま、ストーリ続けてください。(あれ、完結してたっけ?)少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友(恋人?)ダァーッ! (5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 面白すぎです!私はアーヤと若武推しです! (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - まこさん» ありがとうございます!!黒木くんかっこいいですよね! (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです! 私も黒木くん推しです! 更新待ってます! (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2020年3月13日 20時