笑顔の仮面は知っている【探偵チームKZ事件ノート】

第2話『友達』 ページ3

彩side


神崎さんは、意外と明るくてよく笑う子だった。

それが分かったのは、お昼休み。

クラスの女の子が、神崎さんを誘ったら、笑顔で明るく接していた。

転校初日なのに、神崎さんはいろんな人と会話をしていた。

明るい子から大人しい子とまで、幅広く接していて、誰に対しても同じ態度だった。

第一印象は大人しくて静かそうだったのに、今はよく笑って、よく喋る子に変わった。

あの佐田真理子とも楽しそうに話していて、コミュニケーション能力が高い子なんだなって思った。

私はそういうのないから、羨ましい。

神崎さんが転校してきて1週間ほどが経った時には、こんな声もあった。

「神崎さんって、いつも笑顔でいいよな」

「分かる。優しいし、顔は普通だけど明るくて接しやすいもん」

「一緒にいて落ち着くよな。俺、狙っちゃおっかな」

たしかにいつもニコニコしていて愛嬌がある神崎さんはモテる。

人当たりのいい性格は、男子からモテるひとつでもあった。

神崎さんは、転校初日は翼のことを見て照れていたけど、今は普通に話せている。

むしろ、男友達の中だったら、翼が一番仲が良かった。

神崎さんはどこのグループにも所属していないから話しかけやすいし、人の悪口を絶対に言わなかった。

私は、神崎さんと話してみたかった。

神崎さんはいつもお昼を違う人と食べてるから、私が誘っても一緒に食べてくれるかな？

私は勇気を出して話しかけてみることにした。

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