【歌い手】ライブやイベントに一切出演しない爆発的人気を誇る歌い手が逆ハー(乙女ゲー)を回避しそこねそうになる話

七十六話 遅刻 ページ35

『はぁ、はぁ、』


今、遅刻を防ぐため全力で走っております

電車はすぐ来ないから、次の駅まで走った私は馬鹿だと思う

普通に乗ればいいものを横を通り過ぎた電車に置いてかれ、悔しく思いつつ走っています


腕時計を見ると46分を指していて、ばっちり秒針がカチカチと動いていた


マンションの前まで来て、中に超特急で入る

そして、これまたエレベーターを使わずに5階まで全力疾走



バンッ


ピーンポーン


インターホンに亀裂が入ったのが少々気になりつつも、息を整える

ま「え！？大丈夫！？」

『……はぁ、あの、遅れ、ました……はぁ、ふぅ……』


ま「……あの」


これは、怒られるのか？

そりゃあそうか、勉強教えるのに遅刻するなんて可笑しいからね


気まずそうな顔をして、まふまふさんは言った


ま「急いで来てもらって大変申し訳ないんだけど…………一時間前だよ」

『……へ』


へってなに、へって

マヌケすぎでしょ

違う、そこじゃなくて、一時間前……？


もう一度、よく時計を見ると、9時2分を指していた

『……ご、ごめんなさい、こんなに早くに…』

ま「いやいや！そんなことないよ！今日は空いてるから！さぁ、入って入って」


気を使ってる感満載だな…

年上に気を使わせていいのはある一定の人たちなのに、申し訳ない


『じゃあ、遠慮なく上がらしてもらいますね』

ま「どうぞ！」


にしてもいつになく笑顔なのは気のせいかな

まぁ何でもいいけど

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