【カゲプロ】 初代【冴える】 と 現役【冴える】~Part4~

149章　　きっと嫌われる　　カノside ページ17

カノ「そんな・・・Aちゃんたちはどこに!?」


アヤ「それはわからない･･･」



　
あの召使、どうやってクロハ君の情報を手に入れた!?


もし今の姉ちゃんの話が本当なら、Aちゃんの身が危ない!!


僕はスマホを取り出して、ある人物に電話をかける


　

アヤ「修哉?」


カノ「しーっ、静かにしてて?」



　
ﾌﾟﾙﾙﾙ･･･ﾌﾟﾙﾙﾙ･･･[ただいま電話に出ることが・・・]




カノ「くそっ!!やっぱり出ないか・・・」


アヤ「だ、大丈夫だよ修哉！クロハは絶対安全だって言ってたから!」


カノ「・・・だと良いんだけど」


　

きっとあの召使は、今頃血眼(ちまなこ)になってAちゃんを探しているだろう


人ごみに隠れたとしても、きっと周囲の人間のことなんて構わずに・・・


僕がスマホをしまうと、姉ちゃんがもう一つ僕に質問をなげかけてきた



　
アヤ「ねぇ、修哉」


カノ「ん、何?」


アヤ「修哉はどうして、Aちゃんに覚えてることを教えなかったの?」


カノ「・・・」


アヤ「Aちゃん、皆が自分のこと覚えてなくてとても悲しんでた。でも、私が覚えてることを知ったら、すごい喜んでたよ!だから、修哉も覚えてるって知ったら―――」


カノ「いや、もう手遅れだよ姉ちゃん」



　


いまさら、本当は覚えてましたーなんて言えないよ


皆が自分を覚えていないことが、どんなにつらかったか痛いほどわかる


僕はそんな苦しんでるAちゃんをだまして、覚えてないフリを演じたんだ


もし打ち明けてしまえば・・・きっと嫌われてしまう




　
カノ「あははｗ僕って・・・最低だよね・・・」


アヤ「修哉・・・」



　

僕は思わず顔を抑えて、近くの柱によりかかった


今になって、罪悪感でいっぱいだ


僕があの時、自分の勝手な都合であの召使に電話をかけなければ


あの子は僕になんの不審も抱かずに、黙って建物に閉じこもっていたかもしれないのに




　

アヤ「・・・ねぇ修哉、Aちゃんは絶対修哉を嫌いになんてならないよ」


カノ「え?」


アヤ「Aちゃんは、そう簡単に人を嫌いになんてならないよ!!きっと泣いて喜ぶ!!覚えていてくれたんだって泣きながら笑って、喜んでくれるよ!!」


カノ「!・・・そう、思う?」


アヤ「うん!!」


　

自信たっぷりにそう返事をする姉ちゃんを見て、僕はホッとした


姉ちゃんは嘘をつかないから、安心したんだ


・・・いつか打ち明けよう


そしてまた、皆で笑い合おうね

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