124章 諦めるのは、嫌なんだ カノside ページ38
カノ「あ、ちょっと僕せき外すねぇ〜♪」
モモ「あ!!逃げましたよ!!」
カノ「あっはは!ww」
騒がしく楽しいアジトを抜け出すと、日はもう暮れて真っ暗だった
僕は暗い路地裏を歩きながら、あるところへ電話をかける
プルルル・・・プッ
『・・・』
カノ「まだ落ち込んでんの?いい加減そういうのやめてよね」
『・・・』
カノ「じゃあ良いこと教えてあげるよ【ウララ】、“アイツ”生きてるよ」
ウララ『えっ!!???』
カノ「能力は失ったみたいだけどね」
ウララ『どこにいるの!!?教えて!!!』
あーあ、すっかり興奮状態だ
僕はそんなウララに、ある条件を提示(ていじ)しようと口を開いた
だが、その口から言葉が出ることは無かった
僕の計画を邪魔するかのように、Aちゃんの顔が思い浮かんだから
カノ「・・・場所はわかんないよ。今思えば、見間違えだったのかもしれない」
ウララ『はぁ!??ふざけないで!!私をからかわないでよ!!!』
カノ「ほんとだよ、だから情報がつかめたら、また連絡するから・・・じゃあね」
ウララ『ちょっ』
僕は通話終了をタップし、ポケットにスマホをしまった
そして夜空を見上げる
空一面に輝く星、その中でももっとも強く輝きを放つ星を、僕はAちゃんに重ねた
カノ「・・・あーあ、なんであんな嘘ついちゃったんだろ」
ウララに言ってしまえば、Aちゃんは簡単に手に入るはずなのに
なのに・・・アイツを盗ったら、Aちゃんが悲しむような気がして
Aちゃんの悲しむ顔だけは、見たくないんだよなぁ・・・
僕は夜空に右手をかざし、その手を目を覆うようにして乗せた
カノ「はは・・・」
“初恋”は実らない・・・か
なら、これが初恋じゃなければ、僕と君は結ばれていたのかな?
・・・なんて、そんな夢物語を描いてみたり
僕は壁に寄りかかって、ズルズルと座り込んだ
頬から伝わる雫、久々に泣いたみたい
カノ「諦めるのは・・・いやだなぁ・・・」
なんて言っていたら、後ろから誰かが僕を抱きしめてきた
でも今の僕に、驚く余裕なんてない
後ろから抱きしめてくれる誰かが、僕に声をかけた
聴きなれた声
キド「俺だって、諦めるのは嫌だ」
カノ「・・・」
キド「いつか絶対、振り向かせてみせるっ」
キドは泣いていた
僕はそんなキドの涙を拭い、微笑んでみる
恋ってのは、どこまでも残酷なものだな・・・
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桜雪(さくらゆき)(プロフ) - あ、そうだね、ホントのバカノのなっちゃうからやめとくおwww←うん!頑張って欲しいお! (2015年9月1日 7時) (レス) id: b6e9f26e73 (このIDを非表示/違反報告)
冴月(プロフ) - 桜雪(さくらゆき)さん» 落ち着くお´・д・`)これ以上殴ったら更にバカになっちゃうお(( 頑張るお!! (2015年8月30日 18時) (レス) id: afd824c661 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - カノ…!優しいね……けど、ホントは記憶があるってこと思い出したらムカついてきた何かイラっとくるおいカノ一回殴らせろ。←冴月ちゃん!!いろんな意味で頑張れ!! (2015年8月30日 7時) (レス) id: b6e9f26e73 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - 冴月さん» じゃ、そっちは悪くないと認めるんだお。(^ω^) (2015年8月28日 18時) (レス) id: b6e9f26e73 (このIDを非表示/違反報告)
冴月(プロフ) - 桜雪(さくらゆき)さん» キリないお´・д・`) (2015年8月28日 18時) (レス) id: afd824c661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冴月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Satsuki0111/
作成日時:2015年8月4日 20時