【カゲプロ】 初代【冴える】 と 現役【冴える】

21章　　受け入れられない現実 ページ25

目を開けると、そこはいつもの風景だった

　
部屋の天井が写っているだけ


　
アヤノは泣いていた、だって事実だったから



自分が【カゲロウデイズ】に残っていても、残らなくても、どちらにせよ皆が傷つくことに変わりはない






A「・・・これが現実なんだ」


　



犠牲無しに救われるものなどない



これもまた、この世界の絶対ルールである


　
【受け入れられない現実】、私もそうだ。クロハは私の敵で、私はクロハの敵



敵同士が交わることなんて絶対できない



【受け入れたくない】、でもこれが【現実】なんだよ、アヤノ



　




A「私たちは、似たもの同士だね」



　


自分が傷つかない道を探してるだけ、結局は自分のことしか考えてないんだよ



私も貴女も、クロハが言っていたように、これもまた絶対ルール


　
私はベッドに顔を埋め、大きくため息をついた



会いたい・・・ただそれだけ



できれば、クロハが【冴える】だと気づきたくなかった


　
気づかなければ、もっと楽しい時間が過ごせた


　
今思い返せば後悔することばかりで、自然と涙が出てきた



　


A「辛いよ・・・苦しいよ・・・っ!!」



　


殴られるより、蹴られるよりずっとずっと辛い


　
胸が痛い、頭が痛い、全部が痛い


　
【恋】って、こんなに辛いものなの？クロハは今、私のように苦しんでる？


　


ｺﾝｺﾝ




　
シン「A、キドたちが帰ってきたぞ？」


　
A「・・・今行くから、先に行ってて？」




　


ドア越しからでもわかる、シンタローは私を心配しているんだ


まだ1日も経っていないってのに・・・


私は重いからだを起こし、リビングへと足を運んだ


　
リビングには、メカクシ団が勢ぞろい、キドとマリーは夕飯の支度をしている


　



A「おかえり！」


　
キド「ああ、ただいま。少しはここに慣れたか？」


　
A「少しはねｗｗ」


　
エネ「Aさん!今日はシチューですよ〜！」


　



皆にも話したほうがいいのだろうか。

　
クロハに・・・【冴える】に接触したことを


私は皆に、クロハのことを伝えようと、口を開いた

　
でも、言葉が出なかった


　
今言わないと、絶対に後悔する。そうわかっているのに、言葉が出なかった



私は再び大きなため息をつき、ソファにストンと座り込む



　

　

　


　


　


　



・・・ほんと、弱虫だなぁ

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