虹【NK】３rd (ページ29)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:14,705 hit

８９ページ29

K side

受験が終わって結果発表を待つだけだった

斗真が「久しぶりに４人であつまろう」って言ったからいつものカフェみたいなところに集まる

.

斗「よー笑」

希「呼び出したあんたが遅れるってどういうことよ！」

斗「わりーわりー」

希「もうっ」

「ふふふ」

.

それから他愛もない話をみんなでする

佐々木は実技で失敗したとか

斗真は落ちたら親父さんの後継とか

.

俺は？....

俺は....

.

.

模試でずっとA判定が出てた

「このまま行けば、水城も合格圏だよ～。二宮にはほんっとうに期待してるよ？」

運も悪く３年の担任になった有吉にポンっと肩を叩かれた

.

その直後からA判定がなかなか出なくなって

最後の模試でD判定が出た

.

有「うーん...どうした、二宮？」

受験生なのにもかかわらず俺を部活に連れ出すからだろって言いたかったけど
早く帰って勉強したい気持ちの方が大きかった

.

焦ってたんだ、すごく。

.

有吉との面談を終わらせて帰り支度を素早く済ませて

Aが待ってる正面玄関に向かった

.

.

焦りをAに見せたくなくてなるべく普通を装う

.

さっきの有吉の愚痴をAに冗談交じりで話す

.

「和也のこと大好きなんだよ、有吉先生」

和「やめろよ、気持ちわりー」

「いいじゃん、期待されてるんだから！」

「期待してる」っていう有吉の言葉を思い出す

.

.

.

試験が終わったら部活に出るって言ったけど

「心配するな、専念しろ」と言われたので休むことにした

.

そう言ってくれるならもっと早くから休ませて欲しかったなって思いながら

.

でも、全然できなかった

.

「和也？」

和「っ....なに？」

「大丈夫？」

眉を下げて顔を少し覗き込んでくる

心配させたかな

.

「大丈夫」って笑ってごまかした