＃291 ページ46
S「智くん、見回りの時間だよ」
部屋に戻って、明日の自主研修のコースの確認、立ち位置なんかを打合せして…ってしてたら、あっという間に生徒たちの消灯時間。
「めんどくせーな。早く、飲みてー」
S「まぉ、しょうがないよね。女子のとこに男子がいたり？男子のとこに女子がいたり？そんな青春しちゃってるだろうからね。さぁ、行きますか！」
さすがにホテル抜け出してるやつはいないだろうけど…
まぁ、お互いの部屋でってのは定番だよな。
翔くんのクラスと自分のクラスの生徒の部屋を二人で見て回る。
「部屋戻れよー」
S「さっさっと寝てくださーい」
「消灯後に部屋出たやつは明日の自由時間ないからなー」
なんて、お決まりのことを言いながら各自の部屋の点呼を取る。
茉「大ちゃん！」
呼ばれて振り返ると、おれのクラスの川崎茉奈。
美術選択してて、夏休み前とかは課題が終わんないって、毎日美術室に来てたんたけと…
なんとなーく、おれ、好かれてるんだろうな…なんて自惚れてしまうような態度を取る生徒の一人。
「川崎も早く部屋戻れよ」
茉「はーい。大ちゃん、櫻井先生と同部屋？」
「そうだよ」
茉「あとで行っていい？」
「もう消灯だろ」
茉「えーー」
「えーーじゃなくて。消灯じゃなくても来ちゃダメ。早く部屋戻れ」
茉「はーい。明日の自由時間、一緒に回ろうね」
「なんでだよ(笑)」
茉「おやすみなさーい」
川崎が部屋に戻るのを確認して、はぁーって思わずため息。
そんなおれを見て、笑いを堪えてる翔くん。
S「なつかれてんね(笑)」
「あー、うん。なんか疲れるんだよね…」
S「ははは(笑)
今までにはいないタイプだよね。智くんのこと好きになる生徒の中には、あそこまでグイグイ来るタイプはいないからね」
「そっかー？」
S「デレデレってこれのことじゃない？」
「川崎のことってこと？」
S「昼飯の時も怒ってたよ？(笑)」
怒ってたって…
S「榛原さん」
「えっ？」
Aちゃんとのことは話してない。
まぁ、色々あったときにいつもあの子のことを助けてくれたのは翔くんとニノなんだけど…
２人に、はっきりとどうなったかなんてことは話してない…
気づかれてんのかな。
まぁ、おれがあの子のことを好きなことはバレバレだろうけど。
S「智くーん。あと少しだから頑張って」
「おー」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Haruno*
| 作成日時：2017年1月15日 8時
