＊マイガール６＊ (ページ45)

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＃290 ページ45

美「櫻井先生」

ホテルの喫煙所で翔くんとふたりタバコを吸っていると、やって来たのはAちゃんのお友達……

S「あっ、小林。消灯は9時だから、それ以降は部屋から出ないように伝達頼める？」

美「分かりました」

こいつ…
俺の前では、デレっデレっな顔で翔くんの話するくせに、翔くんの前ではこんなに普通なんだ。
女って、すげーな(笑)

美「大野先生」

小林がおれにだけ聞こえるくらいの小さな声で話しかけてくる。
聞こえにくいなと思って、タバコの火を消して小林に近づいてみると、翔くんが驚いた顔でこっちを見た。

「ん？どうした？」

美「A、凄い怒ってたんですけど…心当たりあります？」

怒ってた？
Aちゃんが？
怒ってんのはおれの方なんだけど…

美「クラスの子にデレデレしてるって。それなのに自分は意味わかんないヤキモチ焼いて…って」

「デレデレ？」

美「デレデレ！気を付けてくださいね。じゃ、部屋に戻ります」

そう言って、翔くんにだけ頭を下げて歩いていった。

S「小林、なんて？」

「クラスの子にデレデレすんなって…」

S「は？(笑)」

「おれ、デレデレしてる？」

S「いや、俺には分かんないけど……えっ？小林って智くんのこと好きだったの？」

「いや、それはない」

はっきりと否定したおれに、翔くんはビックリするようなことを言った。

S「だよね(笑)あいつ、俺のこと好きだもんね」

「えっ？(笑)」

S「ん？」

翔くんが口角を片方だけ上げて、イケメてる顔で笑ってる。
結構、長い付き合いだけど…今、ちょっと翔くんがわかんない。

そんなことより、Aちゃん。
なんなんだ？怒ってるって。
しかも、おれがデレデレしてる？
意味わかんないヤキモチ？

話したい。
なんか誤解してるであろう彼女とちゃんと話したい。
しかも、意味わかんないヤキモチって…
わかんだろ！
前から言ってんじゃん。
山田はダメだって。

はぁー。
明日は、Aちゃんの誕生日。
このままの状態で明日を迎えることは避けたい。