＊マイガール６＊ (ページ32)

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＃277 ページ32

《Aside》

「片付けはおれするから、お風呂いっといで」って言ってくれた先生に甘えて、着替えを取りに寝室に行くと携帯が鳴った。

ん？涼介？
珍しい、電話なんて。
出ても大丈夫かな？

『もしもし？』

涼「あっ、A？」

『うん。どうしたの？電話なんて珍しいね』

涼「あー、だっけ？まぁ、いいじゃん。今、大丈夫？」

『うん。そういえば、今日はありがとうね』

涼「いや、こっちこそ。久しぶりにみんなで出掛けて楽しかったな」

『そうだねー、５人でってなかなかないもんね』

涼「晩飯、Aも食ってけばよかったのに… 」

『ごめん。何食べたの？』

涼「昼間のファミレス」

『行かなくてよかった(笑)』

涼「おい(笑)」

涼介との電話の途中で寝室の扉がガチャって開いて、「Aちゃん、お風呂……」って言いながら先生が入ってきた。
電話をかけている私の姿を確認して、小さな声で「ごめん」って言ってリビングに戻る先生。

どうしよう…
先生の声、聞こえた？

何も話さなくなった涼介に不安が募る。

『涼介？』

涼「……明日、夕方から暇？」

『明日？』

涼「うん」

『大丈夫だけど…』

涼「俺部活あるから、終わったら連絡するから」

『分かった…』

涼「じゃ、明日」

『ねぇ、涼介。何の用事？』

涼「買い忘れ」

『買い忘れ…』

涼「そう。付き合ってよ」

『うん』

涼「じゃ」

そう言って切られた電話。
聞こえなかったのかな？
それなら良いんだけど…