＊マイガール６＊ (ページ25)

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＃270 ページ25

《Aside》

買ったものを冷蔵庫に片付けながら、晩御飯の準備もしちゃおうと思ったんだけど。

『先生のお家、ほんとに何もない』

「だから言ったべ」

どうしよっかな…
帰りにスーパーに寄って買い物してこようかな。

『先生、なに食べたい？』

「あー？蕎麦とか？さっぱりしたの」

『ざるそば？』

「ん。天ぷらとかもしちゃって、天ざるにするか？」

『わかった。じゃ、帰り買い物してくるね』

「メモしてくれてたら、おれ買いに行くよ。今日、暇だし」

『ほんと？じゃ、頼もう。ありがと』

待ち合わせは1時だから、12時過ぎに出れば間に合うかな。

「その荷物はなんなの？」

荷物？
先生の指差した先には、私の持ってきた少し大きめなバッグ。
入ってるのはお泊まりセットなんだけど…
いざ聞かれると恥ずかしい。

「ん？」

上目使いで私を見上げている先生。
絶対、分かってて聞いてる…

『お泊まりセットです…』

「そんなにいる？すっげー大荷物じゃない？」

『女の子は色々と必要なの』

「そうなの？」

『そうなの』

じゃーって言いながら、寝室の方へと歩き出した先生。

しばらくしてニコニコしながら戻ってきた先生に「Aちゃん、来てきて」って呼ばれて寝室に入ると、クローゼットの前に立っていた。

「ここ使って」

『えっ？』

「毎回、その荷物持ってくんの？洗顔とかそんなんは洗面所に置いといて。部屋着とかはここ使えばいいよ」

毎回って…
そんなに泊まりに来るつもりなかったんだけどって、戸惑う気持ちと。
先生の空間に自分が存在していていいんだっていう嬉しさとで、気持ちが落ち着かない。

でも、嬉しさの方が勝る私の気持ち。

「いいの？」

『もちろん』

先生のお言葉に甘えて、鞄の中身を整理する。
そんな様子をふにゃっとした、私の大好きな笑顔で見ている先生。

なんかくすぐったい。
でも、すごく幸せ。