四十二日目 ページ42
昼頃、グルッペンは興味ありげにコネシマとロボロへと何かあったか聞いていた。
コネシマは「んー、」と首を捻った。
「まぁ、居ったっちゃ居ったな」
「せやな」
コネシマの言葉に頷くロボロ。
グルッペンは「どんな感じだ?」と面白そうに身を乗り出す。
「綺麗な人やったよな...」
「まぁ、見方によれば、やけどな」
意味深に言葉を残す二人に不思議そうに首をかしげたエーミール。
「女性の方やったんですか?」
「童貞やん」
「コネシマさん!?」
エーミールはコネシマに反対するように立ち上がる。
顔は真っ赤で力がない。
しかし、笑っているところを見るとあまり気にはしていないようだ。
「ま、先生にバレて怒られたんやけどな」
「良く夜間授業にならなかったね」
「ひとらん、夜間授業はもつとヤバイことした人やで」
オスマンがひとらんらんの肩へと手を置く。
ひとらんらんは少し不満そうに唇を尖らせた。
「知らねぇよ、んなの
さっさと離してよ」
ふい、と顔を反らすひとらんらん。
オスマンはむっと口を尖らせながらもその手を離した。
仲がいいのか、悪いのか分からない。
兄さんは何を思ってか、不意に空を見上げた。
「...雨、降りそうやな」
兄さんの言葉に皆の視線が上へと向けられる。
「ほんまっすね。はよ解散します?」
ショッピは近くにいたトントンへと目を向けた。
「あー...せやな。あく立てよ」
急かすようにトントンは素早く立ち上がりグルッペンの背中を蹴る。
軽く蹴ったが、グルッペンは大袈裟に「いってぇ!」と声をあげた。
「おいこら、お前やるか?おぉん?こちとら先輩やぞ?」
「あ"ぁん?んなもん関係ねぇよ、あくしろよ」
「まぁた始まったよ」
グルッペンとトントンの言い合いに呆れた、と肩をあげるオスマン。
「ショッピ、次移動教室やで」
チーノの言葉をたまたま聞いていたしんぺい神は微笑みながら「もういっちゃって大丈夫だよ」と促した。
「んじゃ、お先に失礼します」
そう言い残しチーノとショッピは屋上を出ていく。
「もうええわ...俺ら帰ろうぜ」
「まぁ、ええと思うけどね」
兄さん、オスマンの言葉に賛同するしんぺい神とひとらんらん。
コネシマとロボロも「まぁ、俺らも戻るか」と立ち上がる。
エーミールはそんな彼らとグルッペン、トントンとを交互に見つめ困ったようにする。
「あー、もう!行くで!」
痺れを切らしたエーミールはグルッペンの腕を引き口喧嘩を終了させたのだった。
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作者名:咲々姫 | 作成日時:2021年2月2日 16時