二十五日目 ページ25
「はぁ!?女子と話したん!?」
ゾムが大声をあげる。
「あ、反応した。エ□小僧やん」
「ぇ、いや、あの、ぁ...んふふ」
ゾムは顔を真っ赤にさせて笑いで誤魔化そうとするが一度反応したシャオロンは逃すまいと弄り倒す。
諦めたゾムは独りで踞ってしまう。
「...で、どういう事なん?」
怪訝そうに鬱へと目を向けるトントン。
「って言っても数言だけなんやけど、避けることはなくなった感じやな」
「はぇ〜、凄い進歩やない?」
「確かに、うちらの代は比較的女子ともある程度なら行けますけど、先輩肩の方はマジで会話ありませんもんね」
忘れてた、と言いたげのショッピを羨ましそうに見る一同。
どっちにせよ男ということなのだろうか。
会話を弾ませていると側で猫の鳴き声が聞こえる。
目を落とすと黒猫が首をかしげるように皆を見上げていた。
「かわええ...」
ショッピは猫へと手を伸ばす。
猫はじっとショッピを見ているだけ。
「人懐っこいのかな?」
そう言い首をかしげたのはひとらんらん。
ショッピが撫でようとすると猫は驚きショッピの手を噛んだ。
「いっ...!」
「大丈夫なん?」
心配そうにショッピを見るしんぺい神。
ショッピの手を見て「う〜ん、血は出てないね...でも、洗おっか」と微笑むしんぺい神。
しんぺい神がショッピを連れ出ようとしたとき、誰かとぶつかり驚いた声を出す。
皆がそっちへと目線を向けるとドアのところにらっだぁが立っていた。
「ぽまえらー、こんなとこいたのか?」
目を丸くさせるらっだぁ。
確かにここの屋上は自分たち以外に会ったことがなかった。
「...あれ、あやめ?」
らっだぁはそこにいた黒猫に反応した。
あやめは先程と打って代わりらっだぁの側へとよりその足元にすり寄った。
「らっだぁ先生の猫ですか?」
「ううん。違うよ」
グルッペンの問いに答えながらあやめを抱き上げるらっだぁ。
「コイツ、俺が中学の時によくなついてた奴だよ」
「先生って猫に餌あげるタイプなんすね」
「...コネシマ、黙っておこうか」
らっだぁはばつが悪そうに目を反らした。
そのあと、あやめへと目線を落とし悲しそうに笑う。
「らっだぁ?」
先程まで黙っていたゾムがらっだぁを見上げる。
「こら、先生だろ?」
怒ったようにそう言ったらっだぁを無視しゾムは話を続ける。
「どうしたん?」
らっだぁは体を固めたが、直ぐに「話してやるか」と座るよう促した。
休み時間はまだ長い。
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作者名:咲々姫 | 作成日時:2021年2月2日 16時