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二十四日目 ページ24

「...んぁ?」

鬱が目を覚ますと朝日が揺れるカーテンから漏れていた。

時間は何故か早く、数時間しか寝ていないと言うのにはっきりした意識。

それと打って変わってぼんやりとした昨晩の記憶に鬱は首をかしげた。

「...まぁ、ええか」

鬱はいつもより早い朝に少しだけ気分を良くしながら服装を着替える。

空いた時間に違うことをやってみようと鬱は考える。

直ぐに思い付いたのは寝起きドッキリ。

...というか、寝顔を見てみよう、というもの。

コネシマやシャオロンはよく寝ている部分を見るが、トントンやゾムの寝顔はあまり見たことがない。

いや、正確にはゾムはよく寝ているが、近寄るだけで気がつき寝起きで目付きの悪い瞳で睨み付けるのだ。

その時でさえも普段通りフードで隠れているため、見ることはできない。

鬱は早く起きそうなトントンから見に回ろうと静かにトントンの部屋のドアを開けた。

「...〜、やから、出荷はやめろやぁ...う〜ん...」

「...どんな夢見とんねん、コイツ」

苦笑いを隠せない鬱。

他にも皆のところを回る。

ゾムにやはりバレたり、何故か起きていたしんぺい神に襲われかけたりとトラブルはあったものの、時間は直ぐに終わりを告げた。

意外と楽しかった鬱は、またやろうと密かに思う。

皆より少し早めに用意をして教室へと向かう。

教室についてしまえばそこに自身の席はなかった。

まぁ、そうやんな

鬱は空き部屋に向かう。

考えの通りそこには鬱の机が置かれていた。

机を教室へと運び終え、用意を終える。

始めに入ってきたのは大人しい女子生徒。

たれ目の瞳が鬱を見た瞬間怯えるように揺れたが、直ぐに黙って席についた。

少し癖のあるふわふわとした髪を前へと流しながら丸眼鏡を上にあげる。

鬱はちら、とその様子を見ながらも何もすることもなくスマホを弄り始める。

カラカラ、と音が聞こえ地面へと目線を向けるとシャーペンが落ちてきた。

それを持ち上げるとさっきはいってきた女子生徒と目が合う。

「ぁっ、えっと、その...」

鈴の音を転がしたような声に鬱は肩を揺らす。

久しく自身にかけられる言葉に恥ずかしくも顔が赤くなってしまう。

「これ、どうぞ」

持ち上げてしまったシャーペンを女子生徒の手の上に置くと、女子生徒は驚いた表情をした後、控えめに微笑んだ。

直ぐに距離をとってしまったが、鬱はなんとなく早起きは三文の徳という言葉を思い出す。

...ということは、あと1つ良い事があるのだろうか

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作者名:咲々姫 | 作成日時:2021年2月2日 16時

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