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何でこんなことになっているんだろう...
仮面が邪魔をして小さい視界にこれでもかと詰められている人。
そんな人たちが舞台上にいる私たちへと目線を注げている。
早めに脱落しちゃえば声は出さなくて良いと聞いた。
ここに来る道中理解できない私たちに説明してくれたのは、狐の仮面のカップルが音信不通になり、丁度良いところに私たちがいたのだとか。
だから、代わりになってほしいとのこと。
仕方なくそれを受諾しここに来たのだが、まさかの中々順位を進めてしまい、現在準決勝まで来てしまっている。
決勝は声を出さなくてはならないため早く終えたい...
けど、と相手チームをチラ、と見る。
いちゃいちゃとしているだけ。
今は仲の良さを見せる、なのだが。
相手チームはいちゃついていてお題的にあっているのに見ている人は此方の方が多い。
私たちは肩を並べてスマホを弄っているだけなのに。
メッセージアプリでシャオロンに連絡を送る。
"これ、いつ終わるん？"
"知らへん"
直ぐに返ってくる返事。
ちょうど笛の音が鳴りハッとする。
「決勝進出は、狐ペアです！」
はぁ...何でこうなんねん
決勝での相手ペアは狼の仮面を被っている男女。
かわええ...
「さて、決勝戦ですので、特設ステージへと行きましょう！」
特設ステージ？
え、動くん？
"めんどない？"
"ほんまに。いつまで続くねん"
"お前の学校やろが"
"しゃあないやろ、こう言うのは全部グルッペンがやっとるんやから"
はぁ、とため息をつきスマホをポケットに突っ込む。
声だすん、嫌やなぁ...
一応関西弁出せばある程度隠せるかもしれへんけど、んなもん分かる人には分かるやろうし。
一時しのぎにしかならへん。
どうしよう、と考えているとシャオロンは私にスマホを見せつけてくる。
"関西弁で喋っとけ。生徒会は後で何とかする"と書かれている。
頷いて見せればシャオロンはポケットにスマホを突っ込んだ。
「さて、此方です！彼女さんは赤のコーナー、彼氏さんは青のコーナーに行ってもらいましょう！」
言われた通りに赤のコーナーに座る。
隣に狼の彼女さんが座る。
「さて、はじめは"揃わせろ！イチャイチャな思い出クイズ"ですー！
目の前にあります、モニターに質問された回答を書いていただくのですが、何問揃うか、というゲームです
その前にひとつ、仮名でも構いません、名前を書いてください！」
...え、名前？
どうしよう...もうええわ、いちごにしとこ。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月14日 22時
