83個 ページ33
夜中、自室でパタパタと足を動かしながら連絡をする。
とりあえず鬱に連絡する。
一番知ってそうやったしな。
鬱は他の女子と連絡していたのか、直ぐに既読がついた。
"え､何？"
"鬱、何知っとるんや"
"ちょっと､ほんとうになに？"
鬱はだいぶ焦っているのか変換さえしていない始末。
"前に家族のこと聞いてきたやん"
"うん"
"詳しく話して。今すぐ"
"なるほど"
理解したのか"電話してもいい？"と聞かれる。
良いと答えると直ぐに電話がかかってきた。
『もしもし』
ut「"もしもし。シャオちゃんのことやろ？"」
『シャオちゃん...うん、シャオロン。
どうせ、あのとき居ったの鬱やないやろ。
それやなかったとしてもシャオロンはおったやろ。』
それ以外に彼があんな顔をして別れを告げる理由が分からん。
私が嫌やったら、あんな...
あんな、悲しそうな顔をしないはず。
ut「"ふぅー...なるほどね？
確かに、俺は居らんかったで。シャオロンから連絡が来たから、家招いたんや。
そしたら俺を介して聞いてくれ、って。返信が直ぐ返ってこんかったからシャオちゃん帰ってもうたけど。"」
返事...
少し苦い顔をしてしまう。
もしも夕食中、見ていれば何か変わったんかもしれへんのに...
『鬱から言うのは...』
ut「"それはあかんで。
Aちゃんも気ぃついとるやろ。これはアンタら二人の問題や
ほんまはこれさえあまり良うないんやろうけど"」
鬱の言葉に口をつぐむ。
ut「"...これは独り言やからな"」
『え、それってどういう__』
ut「"明日、シャオロンとゲーセン行くんよなぁー。
放課後...17:45に○○駅前集合かぁ、俺遅刻してまうやろうなぁ"」
言葉を遮り鬱はそう言いだす。
それはつまり、
ut「"ありゃ、通話終わっとらんかったわ〜、すまへんな"」
わざとらしくそういう鬱。
恐らく笑っとるんやろうな。
『...ありがとう』
ut「"なんのことや？分からんわ〜ほな、また今度"」
プツ、と切れる通話。
...ほんま、あの人は。
今回ばかりは感謝せなあかんな。
スマホを閉じると共にお風呂を上がったシャケ君が声をかけてきた。
shr「...誰かと話してたみたいだけど」
『んふふ、大丈夫やで』
緊張の抜けた声でそういうとシャケ君は首をかしげながらも頷いた。
何も言ってこうへんから、楽やし。
ずかずかプライバシーに入ってこんから楽やわ。
ほんまええ子
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月14日 22時
