68個 ページ18
静かな空間に、馬鹿みたいに誤魔化せるわけがない。
馬鹿げてるかもしれないけど...
仕方がない、か...
言おう。
『...狂気山脈』
単語だけを言い出す私に正気じゃないと言いたげの目線が突き刺さる。
『宇都宮譲、高枝勇、高速廻天田原卍五郎、穂高梓、コージーオスコー、K2』
コレで思い出せたのなら上出来なのだけど。
ut「...っ、あ"〜、なるほどね？」
椅子に座り背凭れにもたれ掛かる鬱。
思い出したの？
ようやるわ。
ut「えっ...マジかぁー...え〜」
「おい、どういう意味や教えろや」
鋭い目付きで鬱を睨んだのはコネシマだ。
いつもは大きく高笑いしているイメージだが、今は冷酷さしか感じない顔つき。
ut「馬鹿みたいな話やで？」
kn「ええから話せって」
ut「前世、とか言う話やで」
kn「は？」
頭イカれたんか、と中々に辛辣なことを真顔で言いのけるコネシマ。
ut「宇都宮譲が俺やんな？」
『...ええ』
ut「万次郎...久しぶりやなぁ」
sho「卍五郎や、いい加減覚えろアホ」
相変わらずどこか抜けている鬱。
しかし、若干雰囲気が変わったようにも感じるが...
kn「...前世、ねぇ」
アホみたいやな、と鬱を睨むコネシマ。
しかし、鬱は気にも止めず「お前にとってはそうやろうな」と笑った。
ut「だが...
思い出せるんやないか？お前なら。記憶があるはずや」
...そうか。
捏田さんが、コネシマなのか。
gr「とりあえず、説明をしろ。一から百まで全て。
納得できるような話じゃなかったらもう一度考え直そう」
なんや、コイツ上から目線やな、と思いながら見る。
まぁ、先輩やから大袈裟には出来ひんのやけど。
数分後、説明を終わると何故か皆ある程度理解していた。
あり得ないと言うのに。
あり得ないことを、そんなにすんなりと受け入れるもんなんか？
そう思い周りをみるが、誰一人疑問を持ったような顔をしていない。
なんで...
sho「ま、コイツらは頭のネジが外れとるからな」
rb「お前がいっちゃん頭可笑しいわ」
sho「なんやと？」
言い合いを始めた二人を眺めていると、帰っていいとグルッペン先輩に言われる。
頭を下げバレないようにその場を出ていく。
後ろからバタバタとうるさい音がするも、無視する。
ガキやなぁ
家に帰り母さんの荷物を整理する。
ゴト、と落ちてきたのはスマホだった。
母さん、二台持ちやっけ？
そう思いながら中を開くと驚くことが書かれていた。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月14日 22時
