出会い ページ4
彼女との出会いは俺が喜多川総合病院に入職した時。
もう5年前、いや6年前かな…
とにかく潤が入院してくるより前だったのは確か(笑)
何でそんな記憶のしかたになってるかっていうと、潤が入院してきたことで彼女、佐藤ゆうこを個人として認識したから。
俺は彼女に限らず、仕事で関わる人にあまり関心を持たない。
世間話をすることもなく、俺から一方的に指示を出す位しか、口をきくことなんてなかったんだ。
何を思ってそんな態度だったかっていうと…
要は仕事ができれば良いんだよ。
キレイだろうが性格が良かろうが仕事ができないヤツに用はない。
って、その頃の俺は思ってたから(苦笑)
今思えば、人間性にかなり問題のあるヤツだったのかも、俺って。
だけど、潤が入院してきて自分で言うのもおかしいけど俺は変わった。
それを意識させたのがゆうこで、
『櫻井先生も潤くんも、良い顔してますね？』
って、言われたのが最初だった。
潤が俺にホンの少し慣れて来て、初めて俺の腕に自らの意思で抱かれた直後のことだった。
その時"俺の中で、看護師"ではなく初めて"佐藤ゆうこ"って、名前がついた(笑)
それからは何となく彼女を目で追ってしまうようになって、気にして見ていると彼女が優秀な人材だってことにすぐ気づいた。
『大丈夫ですよ、お任せ下さい(笑)』
不器用な俺に代わって、いとも簡単にシーツ交換と着替えをやって見せ、
「凄いね、マジック見てるみたいだった。良くこんな泣いて暴れる子相手にできるね？」
『え？成人に比べたら体が小さいし、ベッドも小さいから、やり易いですよ？
それに、こんなのただの慣れです(笑)』
驚く俺に謙虚にサラッと言ってのけた。
スピードと判断力が求められるような場面でも、俺に指示を出される前に予測をし行動するゆうこに俺は厚い信頼を置くようになっていった。
その頃から潤を通して会話をする機会が増えていって、
『もうすっかりパパですね？』
そう言われた時は、とにかく嬉しかったのを覚えている。
あの頃は潤を里子にしたいって想いが凄く強くて、でも色んなことに迷いがあったから、不意に"パパ"と言われてどんなに嬉しかったことか…
それに俺に対して物怖じしない彼女は、
『先生何だか雰囲気変わりましたね？』
『絶対に柔らかくなったと思います(笑)前はちょっと近寄りがたいオーラがありましたもん』
なんて、言ってきたりして…
どこか浮いた存在だった俺を変化させていったんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 518人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棗(プロフ) - パスワード申請します 。 いつも、拝見させていただいてます。 (2019年2月14日 20時) (
レス) id: ef140653c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - パスワード申請します。 お願いします。 毎回楽しく読ませて頂いております。 (2019年2月14日 16時) (レス) id: 03009ea5b3 (このIDを非表示/違反報告)
rietan(プロフ) - パスワード申請します いつも楽しみに読ませてもらっています 疲れた心が癒されます (2019年2月14日 0時) (レス) id: 09ada2be90 (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - こんばんは。パスワード申請お願いします。いつも、楽しく拝見させて頂いています。ドキドキしたり、ほっこりした気持ちになります。これからも、楽しみにしていますので無理の無いように更新楽しみにしてます。 (2019年2月14日 0時) (レス) id: bd8fca3fd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - パスワード申請 いつも拝見させていただいてます。 (2019年2月13日 21時) (レス) id: 1d2222a8c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：虹
| 作成日時：2019年1月19日 21時
