事件の記憶 2 ページ50
「智にぃ、大丈夫？」
ゆかに声を掛けられて、視線をゆかに移すと、
「何、難しい顔してんの？」
って、笑顔で。
「いや、去年ゆかが入院した時は大変だったなぁって、思い出してた。
まぁ終わってみれば、高々10日ほどの入院だったわけだけど、我が家始まって以来の大事件だったからね(苦笑)」
「ふふっ、ホントそうだったね。
張本人の私が言うのもおかしいけど、翔にぃがすごい落ち込んで大変だったって、まーにぃから聞いたもん」
「ははっ、あれね？
でもあれは翔が勝手に落ち込んでただけで、僕は最初っから心配なんてしてなかったよ？
だって1回や2回、間違いをした位で壊れるわけないもん、あの2人の関係が。
僕が言ってるのはそうじゃなくて、あの時の衝撃。大量出血で心停止って聞いた時の。
その後は、ずっと雅紀に任せっぱなしで何もしてあげられなかったし…
生活に追われ過ぎてたからね(苦笑)」
自嘲気味にそう言うと、
「そっか…
そこは私は記憶がないし、危険な状態だったって聞いただけで、全然実感がなかったかなぁ。
それよりは体が少し楽になってからの方が大変だった。
まぁそれも自分で何とかしたっていうよりは、まーにぃに引っ張り上げてもらったんだけど…」
その当時を振り返り、穏やかな笑みを浮かべて教えてくれた。
「そうだったんだね。
雅紀はさ、僕たちには結果しか言ってくれなかったから、その辺のことは何も知らなかったよ。
だけど、僕たちから聞くのもおかしいじゃない？
病気が病気だったし、夫婦で話し合って良ければ、大丈夫だろうって翔といつも話してた」
「そっか…
じゃあ、その頃からまーにぃは、ひとりでストレスを溜めていったのかな。
私はそんなこと何も知らないで、甘えっぱなしだったけど…」
ゆかがその後に起こったことに、記憶の焦点を当てて言ってるんだな、って気づいて、
「確かにそれは、そうかもね。
ゆかのことは、僕たち以上に心配しただろうし、看病で疲労も溜まってだろうしね？
でもあの時、雅紀が看病するっていうのは自然なことだったでしょ。
それにゆかが気付かなかったように、僕たちも気づいてやれなかった。
もしかしたら雅紀自身も気づいていなかったから、あそこまで大変な事になったのかもね？」
って、答えて。
"大変な事"…
プロジェクトを延期、もしくは大幅な変更を余儀なくされるほどの大事件へと、記憶を巻き戻していった。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
