主婦喪失 24 ページ49
呼ばれて入った部屋は、デスクとPCだけが置かれたシンプルな空間。
並んでイスに座ると、人懐っこい笑顔を見せた大倉先生が、
「はい、診察お疲れ様(笑)
緊張して体ガッチガチやったのに、旦那さんに会ったらそんな顔すんねんなぁ」
砕けた関西弁で言われて、ゆかは顔を真っ赤にしてる(笑)
先生が場を和ましてくれたお陰で、硬い空気はなくなり、話は穏やかに始まった。
抜糸の時期や大量出血に伴う貧血の治療を説明されたあと、明後日の退院があっさり決まった。
退院という言葉に喜んだのも束の間、
「で、一番気になってること。今後のことやけど…」
そう切り出されて一気に緊張感が高まる。
「まず自然妊娠の確率は、残った卵管に異常がなければ、今までとほぼ一緒って思ってもらってええよ。若干落ちるっていうデータもあるけど、年齢的に考えて気にせんでいいレベルかな」
この言葉に、この部屋に入ってはじめてゆかが微笑んだ。
だけど、嬉しいことばかりではなく、
「せやけど再発の確率が10%から15%くらいあるから、そこはちょっと気ぃつけてもらわなあかんかな…」
厳しい現実も突き付けられた。
「それは具体的にはどうすれば…」
恐る恐る聞くと、
「まず早い時期に残った卵管の検査を受けてもらうことと、ちゃんと基礎体温をつけてもらうことやな。
そのあと、生理が3ヶ月、できれば6ヶ月順調なのを確認してから避妊を止めてもらう。それでちょっとでも妊娠の可能性があったら早期に妊娠検査薬で確定させて、胎嚢の確認をする。
つまりは完全な予防法はないけど、もしまた子宮外妊娠になっても今回みたいな大事になる前に発見、治療できるように…ってことになるかなぁ」
そのあとも細々としたことを納得できるまで、質問して説明してもらって…を繰り返して。結局1時間以上の時間を費やした。
それでもきちんと説明してもらったお陰で、予想外に大きい再発率に驚きつつも、それほどまでに大きな不安感はなかった。
それは俺だけじゃなく、ゆかもそうみたいで、部屋に戻ってすぐ、
「基礎体温記録するアプリ、どれがいいかな？」
って、前向きなことを言ってくれて。
俺はゆかの笑顔と言葉に、大きな安心をもらったんだ。
ゆかは手術から10日目の朝、無事退院した。
俺たちは結婚早々大変な想いをしたけど、ゆかの命が助かって本当に良かった…
久しぶりに家のベッドに転がった瞬間、そんなことを考えて、ゆかを腕の中に閉じ込めた。
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
