主婦喪失 13 ページ38
雅紀サイド
すぐに側に行って頭を撫で、
「ゆかぁ、良く頑張ったなぁ」
それ以上の言葉は出てこなかった…
抜管が終わり、身体に付けられていたものがだいぶ減らされ、すっきりしたゆか。
ベッド移動も問題なく済ませ、やっと2人だけの空間になった。
足元の入口には衝立が置かれていて、完全な密室ではないけど、視線は遮られICUとは違って、監視されている気はしない。
だからって訳ではないけど、辛かったら泣いてくれて良いし、痛いと子供の様に愚図ってくれても良かった。
だけどゆかは、泣くことも愚図ることもなく、ただ白い天井をじっと見つめているだけだった。
そんなゆかになんて声を掛ければ良いんだろ？
って、暫く考えたけど名案は浮かばなくて…
「ゆか、痛みどう？
痛かったら遠慮しないで言っていいんだからね？」
いつも通りの俺でいようと思って、そう話し掛けた。
俺の声に反応して、首だけを捻ってこっちを見たゆかは、急に涙をポロポロ溢し、
「ごめんね、まーくん…
ホントにごめんなさい…」
泣き始めた。
「何？何がごめん？
謝ることなんてなーんもないよ。
むしろ謝るのは俺の方。
早く気付いてやれなくてごめんな？いっぱい痛い思いさせちゃったな？」
イスから身を乗り出し、手を握ってやりながら言うと、
ふるふる何度も首を振るゆか。
そして、
「まーくんとの赤ちゃん…」
それだけを言うと、タオルケットを引き上げ、顔を隠してしまった。
あぁ、そういうことか…
やっと『ごめんなさい』の意味を理解した俺は、立ち上がってタオルケットごとゆかの体に覆い被さるようにして抱きしめた。
「ゆか……」
続く言葉が見つからない。
ゆかの辛さを和らげ、俺の想いを伝える…
それに相応しい言葉を俺は持ち合わせてなくって。
代わりに何度も何度も『ゆか』って名前を呼んで。
抱きしめ続けた。
そうしながらも諦めの悪い俺は、小さく震える華奢な身体を腕に抱きながら、なんて言ってあげれば良いんだろ？って、必死に言葉を探して。
だけど、俺の知っている言葉は、
『仕方なかった』
『ゆかが無事で良かった』
『赤ちゃんはまた来てくれる』
『まずは身体を治そう』
どれも違ってて…
だから、
ただただゆかの涙が止まるまで、こうしてよう。
『俺はいつもゆかの側にいるよ？』
それだけを伝え続けようって。
そう心に決めたんだ…
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虹(プロフ) - ebi信号さん» こんばんはー！コメントありがとうございます(^O^)ワクワクしてもらえて、私も嬉しいです♪これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年4月12日 22時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - profile読んだだけで、泣きそうになってしまった。ワクワクとホッと安心感です。この世界を続けてくれて、残してくれてありがとう…。 (2019年4月12日 0時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» ありがとうございます！こちらこそ(^-^)/ (2019年1月2日 16時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 琴子さん» 良かったぁ(^O^)これからもよろしくお願いします(^o^ゞ (2019年1月2日 13時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 虹さん» さっそくにありがとうございました！見れました＼(^o^)／ (2019年1月2日 13時) (レス) id: cc1132a1bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年12月24日 18時
