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ピスティには、ただひたすらに結婚したあとの生活について聞かれた。
相も変わらず、恋バナが好きなんですねと笑えば、ウフフ、Aちゃんとお話できるのが、嬉しいんだよと返された。
相変わらず胸は、足りないけど。成長しないけど。という自虐に、Aは苦笑することしか出来なかった。
だがひとつ、Aには心配していることがあった。
(あの子からの、アドバイス。正直、いらなかった。)
ターバンを握って、口に当てた。
(だって、私にはあなたみたいな力はないもの。)
今のあの子の姿は知らないけど、
きっともう、私から離れてる。
(私には、変えることなんて出来ないわ。)
あなたは、私になりたかったの？
(ただの人間には、何も出来ないわ。)
あなたは、私のこの視界より、もっともっと広いとこを見ているんでしょ？
(この無力感を、あなたは感じたことがないんでしょう)
私を怒るなら、怒って欲しいの。
私、あなたの代わりなんて勤まらないわ。
だから、だから貴方も、私は私として生きろって、言ってくれたけど、でも
でも、
(みんなが求めてるのって、本当に私なの？)
「「アリババだ。」」
「アリババ・サルージャがすごい。」
「ひゃー〜アリババさん有名人、」
「俺達も鼻が高いな。」
「私がターバンを買った理由、分かった？」
「えっ？」
「映像だけじゃなく、現実でもアリババが有名になる。そうすれば、隣に私がいるだけで、言いたい放題噂する人は出てくるの。だから、私はただ歩くだけでも誤魔化さなきないけなくなっちゃった！
これでも私、いがいと、いがーいと有名なの。」
「ああ、なるほど！」
「「アリババ・サルージャさんですね？」」
「えっ、俺？なにか一言？
そうですね…「転送魔法陣」によって、たくさんの物と人を誰にも邪魔されずに運ぶことができます。これで世界がもっと豊かになることを願っています。」
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年6月30日 21時
