再考.33［マギ］ (ページ33)

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「仲間より、自分のしたいことをとったの。最低よね、みんな私を引き止めてくれたけど……でもやっぱり私は……

……ずっと黙っててごめん。」

本気で申し訳なさそうに深々と頭を下げるAに、アリババは言葉が出なかった。
初めから最後まで話される全ての話が、当たり前だが全て初耳で、驚きすぎたのだ。

だが、本当にそれだけだろうか？

すぐには理解できないこの内容、聞き返したいことが沢山あるはずなのに、彼女その青い瞳で見つめられると、全て納得してしまう。
頭に無理やり、けれどすんなりと話の内容が入ってきて、「なぜ」「じゃあつまり」と聞きたいのに、結論が押し込まれて、口から声が出ない。

そうだ、つまり、まあ、そういうことなんだろう。

アリババはよく分からないまま、「いや、そりゃ、話しにくいよな…教えてくれて、ありがとよ…」と少し引きつった笑みで答えた。
その言葉を聞いてAは下げていた頭をあげると、安心したように眉を下げて笑った。

「いずれ、アラジンたちにあったら謝らなきゃって思ってたし、世界1周なんて、意外と簡単だったし、」

「そ、そういうもんなのか…」

「うん、だから、これからはアリババと一緒に行動して、アラジンを探し出そうかなって思ってる！」

「そう…か……

…Aは、今アラジンの居場所は…分からないのか？」

ティトスがそう言えば、余計なことは聞くな的な忠告をしてきていた気がするが、そんなこともう忘れた。
やっと彼女が”全て”を打ち明けてくれたのだ、もうお互いに隠すことなんてないだろう！

「……わからない、強力な結界かなんかを張ってるんだと思う、、役に立てなくてごめんね。」

「あ！いや、ならいいんだ！」

(なんだ、ティトス、お前は何に怯えてたんだ？Aは確かに、少し悲しい思いをしながらここまで来ていたのかもしれないが、悩んでる素振りなんてないし、もうこれで隠しっこなしだ！)

2人はその後も、少し談笑して、そして部屋に戻り眠りについた。

アリババは、さっきまで自分が抱いていた謎の不信感は忘れ、ただただスッキリとして深い眠りに落ちた。

(バレるのも時間の問題だ。本当は、アラジンに会っちゃいけないけど…

私には未来なんて見えない。自分で考えて、正解だと思う道を行かなくちゃ。)

Aはモゾモゾと布団に潜り、頭まですっぽりと隠れて、眠りについた。