再考.33［マギ］ (ページ27)

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「世界って不公平だよな。どうせおまえらも青春を謳歌してるんだろう？なんかみんなで仲良いもんな。」

「そんなことないっすよ!!」

「兄弟同士でそんなことできるわけないじゃない！」

「ほ、ほら…アリババさんにはモルジアナさんがいるじゃないっすか!!」

「まさか。オルバ…モルジアナはAのことしか見えていないぞ。」

「え、いや、でもやっぱアリババさんと言ったら……」

＿Aさんだろ。

ゴニョゴニョ。

遠くでこちらに来たトトの代わりに赤ん坊のお世話に夢中になっているAに聞こえぬ声の大きさでオルバがトトに言った。

「Aは……今は……」

あまり、そんな明るい話はしない方がいいと思うけどな。……

そのトトの言葉に、アーロンやヨーンたちは真顔になった。

「おまえらなんで真顔なんだよ!!?なんか言えよ」

その死んだ魚の目は傑作だった。

「おまえらあれから煌帝国にいたらしいけど、オルバは白龍ともめたりしなかったか？」

「いや、なんか…元々、Aさんがそこら辺気を使って色々やってくれてたんすけど、普通に…必死に国を仕切ってるあの人見たら…そんな気になれませんでした。

その、、なにより……」

チラチラ、とオルバがAの方を見ながら言うので、アリババが首を傾げると、オルバはそそくさとアリババにもっと近づき、小声で話した。

「あのAさんが無理やり婚約されたって聞いて、俺もイラついてたんすけど、見てれば不満なんて抱えてないのが一瞬でわかるくらい楽しそうだったんすよ。
Aさんとあの人は、2人で一緒に頑張っていたし、なによりAさんがあんだけ信用しているようなら、別にいいのかな……みたいな。

はは、俺もよく分かりませんけど、でもAさんがあの人の頑張りをよく教えてくれて、「許せないとは思うけど、今は静かに見守っていて欲しい。2人で頑張るから」って言われちまえば、何も言うことはありませんよね！」

「そうか……白龍はほんとうに頑張っていて、Aは本当に……」

＿白龍を、愛していたのか…。

俯くアリババに、オルバはハッとして慌てだした。
まずいことを言ってしまったかもしれない、アリババは本当は、2人が結婚をしていた事実だけで嫉妬に頭を打ち付けそうなのに。

「そういやジュダル来なかったか？煌帝国に。」

だがアリババはケロッと顔を上げて聞いた。