再考.33［マギ］ (ページ20)

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「そうですね。煌の皇族はそれで打撃を受けていました。」

「レーム帝国とて、無関係ではいられない。この新世界全体が国家や世襲制を否定し、商業がそれに代わる王者になろうとしているのだから。

そんな新世界なのにだ。ネルヴァは、自分が父の跡を継ぎ皇帝となって、軍事力により「国際同盟」を倒す！と言い始めた。」

「それで……どうなったんですか？」

「選挙で負けた。」

ぼろ負けだったなとティトスは真顔で言い、Aはケラケラと笑った。

「せっ、選挙っ。」

民主的！とアリババはその言葉を繰り返した。

「それで、ネルヴァは出ていった。恥ずかしいことに、ネルヴァに同調する貴族のドラ息子どもも少なからずいた。」

「なるほど…ネルヴァと言う人は、彼なりに世界に理不尽を感じて立ち上がったんでしょうかね？」

「いや〜…ネルヴァはそういう感じじゃないんだけどなぁ？」

ムーとティトスが同時にそう言うので、アリババは「えっ!?」と驚いた。

「あいつは…まぁおだてられやすいボンボンといった感じの男なんだが…」

「誰かに焚き付けられたのかな…？」

憎めないやつではあるんだ、とムーは言うが、ティトスの反応を見る限り彼らもネルヴァの本当のきっかけは知らないようだ。

「とにかくだ。ネルヴァは反乱を起こしている。ムーとイグナティウスも、その抑止力という名目で「金属器」を持ち続けている。」

「あっ！」

(なんだ、「金属器」を持ったままの奴らもいるじゃねーか！俺にも「金属器(アモン)」があればなぁ。もっと動けるし、八芳星(アル・サーメン)とルフを目印に……

捜せる(・・・)かもしれねーのに…)

「アラジンだろう？」

「！」

「ボクとは、アラジンの話をしに来たんだろう？アリババ。」

「ああ。何か知ってるのか!?」

「……一旦、少しここから離れよう。」

「えっ？」

チラリとティトスが見たのは、ムーと談笑し始めていたAの方だった。
彼女に聞かれたくない話ということか？
アリババはよく分からないまま、ティトスが室内の方に入っていったのでついて行った。

「まず、Aにはアラジンのことを聞いたのか？」

「え？あ！それは…聞けてないな。」

すっかり忘れていた。
レーム帝国に来る前のエリオハプトで久しぶりに再会したばかりということをティトスに伝えれば、ティトスはなにか意味ありげな表情のまま「そうか」と頷いた。