再考.33［マギ］ (ページ12)

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『何が来ようが俺が倒してやる！』
『そんなもん俺がなんとかするさ！』
『何があってもなんとかすると言っただろう！』
『話はわかった、サブマド。俺に任せてくれないか？』
『バカげた政策は俺が止めて見せる！』
『大丈夫。君たちが国から追われようものなら…俺の国で国民として受け入れてやる！』

「実際、あの時バルバッドを出て受け入れてもらった方が誰も死なずに済んだかも…

でも、今のバルバッドやマグノシュタットを見て……

思ったんです。

苦労しながら、迷いながらでも…自分の国のことは自分たちで決めた方がいいんじゃないかってね。」

「……」

「あっ、でも、シンドバッドさんは煌には自由にやれって言ってくれてるし！俺も今でも頼りっぱなしなんですけどね！ハハハ！」

Aは苦笑する。

「アリババ、シンさんは超人じゃない。」

「えっ？」

「だから、あまり追いつめるな。」

「…………追いつめる……」

「……」

ハア…とマスルールが溜息を吐けば、子供たちもみんな「ハァ…」とため息をついた。
それにAはクスリと笑った。

「アラジンの話をしに来たんだろう？ならば、この国の「マギ」に会え。」

(「マギ」！)

一瞬、アリババの隣を歩くAの足が止まった。
アリババはそれに気が付き隣を見たが、彼女は笑顔をうかべたまま、また歩き出した。
そして目が合えば、どうしたのと言うように眉を上げて微笑んだ。
気のせいか、とまた前を向いたが、そういえば彼女から、自分がいなかった時の話を聞いていないと思い出した。
いちばん知りたい。もっと、何があったのかを。
でも、これから共に行動してくれると彼女はいったのだから、焦る必要は無いだろうと思った。

すっかりと、白龍やシャルルカンの言葉を忘れてしまっていたのだ。

自分は恵まれていて、行動に移すことこそが今自分がやるべきことなのだ、と。

彼女を好きな他の人からしたら、迷惑で仕方がない。

でも、忘れてしまったのも仕方がなかった。

久しぶりに会えたのにも関わらず、昔と変わらないにも関わらず、

彼女はこれからも永遠に生き続けるような、そんな生命の強さを感じたのだ。

なんというべきか。不死身なわけではなく…

昔からあった、どこか儚げな、目を離したら消えてしまいそうないたたまれない雰囲気が、もうすっかり消えていた。

まるで、そう。

新しく、生まれ変わったような、そんな。