神様.27［マギ］ (ページ49)

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「大丈夫、わたしやれるよ！だって、おねえちゃんだもん、！

お母さんも素敵な人だったって、私沢山知ってるよ！教えてくれたもんね！

だから、大丈夫！お母さんの私たちにしたお願い叶えてあげるの！安心してよ、セイバー！」

彼女は大人だった。まだAと背丈も変わらないのに。

セイバーは彼女を世界に産み落とした。

泣いて追いかけようとするAを、心を鬼にして引き止めた。

「ずっと一緒って言ったじゃない！！！

嫌だ！！行かないで！！

行かないでよ！！！！！おねえちゃん！！！！」

……ここからは、「グロリアの瞳」で他の者には見せなかった、余談である。

月日は流れ、アンナは死んだ。

セイバーは心を病んだ。アル・サーメン、母をも殺した、アル・サーメンのせいなのだから。

そして彼は狂った。セイバーは堕転した。

残ったAに自分のルフを分け与えた。

そうして彼は彼女を使った復讐計画を立てた。

結局それはのちのち、ソロモンのうつし身、アラジンによってあっけなく阻止されることになるが、

彼女の右目は、彼のルフが宿る青色に染まった。

「気をつけて行ってくるんだぞ。」

「まって!!!私、分からないよ！正解も何もかもまだ知らないよ!!!

ねえ私、どうすればいいの！？」

「平気だよ……あっちの世界に届いたら、記憶は全て消える……

そして仏眼が開眼した時にはきっと全てを思い出すさ。」

そうして彼女は、1人で抱えきれるわけのない母親の形見の瞳と、黒いイヤリングを持ち、

この世界へと生まれ落ちたのである。