第237夜 新たな世界の理 ページ44
「みんな聞いてくれ。アルマトランにはもう資源がない。俺たちは生き延びるために、まったく新しい豊かな世界へ移動しなければならない。」
「全く新しい豊かな世界？」
「そんな場所があるんですか？ウーゴ様。」
「あるさ。異次元のとある豊かな惑星に、次元のトンネルを通って俺たちをルフごと移動させるんだ。」
「ルフごと移動！？そんなことできるんですか？」
「できるさ。ルフのすべてを司る特別な場所の力を借りれば！ソロモン王の意志は今、その場所に宿っている。俺たち二人はそこを「聖宮」と呼んでいたけどね。」
「良かった。そこへ行けば私たち、もう大丈夫なのね。」
＿地下都市「グリーム」
「…………どうしたんです？ウーゴ様も、セイバー様もぉ。」
「異種族の長たちよ…
俺らはずっと考えていたんだ。5年前、
ソロモン王は王を頂かない完全に平等な世界を望んでいたけれど……
俺らはやはり…新しい世界には……王様が必要だと考えた。」
「……！？ウーゴ様…！？」
＿地下都市「アモン」
「確かにみんな平等でいられたら幸せだけどよ…みんなそんなに強くないさ。知能があるからこそどんな知的生命体も余計なことを考えちまう。保身や不安に駆られてしまう。だから、そんな大勢を支える心の柱が必要なんだよ。」
「セイバー様…」
＿地下都市「ゼパル」
「それなら心配ないさ！王様ならアラジン様がなればいい！」
「そうもいかないよ、アラジンも人間だ。アンナとAも寿命補正がかかってるようだけど人間だし、いい王様や王女になったとしてもいつかは死んでしまうんだよ。ソロモン王のように…
だから、いい王様が生まれては死に、また生まれ…そんなふうに回っていくシステムが新しい世界には必要だと思うんだ。長たちひとりひとりに聞いて回っているんだけど、みんなどう思うかな？」
「……」
「そうかもしれませんね… 」
「指導者を失って崩壊するなんて、アルマトランの二の舞になってほしくないわ。」
「でも、そんなシステムができるんですか！？」
「できるさ！まず、新たな惑星とアルマトラン間の次元のトンネル…これをふさがず、ある特定の条件を満たした時だけ、あちらからこちらへ来られるようにしておく。」
「一体……なんのために…！？」
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年5月3日 18時
