神様.27［マギ］ (ページ31)

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「ガハッッ」

グロリアの心臓部に刺さる神杖。

アルバが黒いルフの力を纏い、白ルフの拘束を解いて一瞬で彼女を貫いたのだ。

血を吐くグロリアから、アルバは神杖を抜いた。

ブシュッッとまた血が吹きでて、グロリアは地面にドシャッと落ちた。

アルバは下に降りると、彼女を見下ろし、前に膝をついて、彼女の頬に手を添えた。

「女神として生まれて、その美貌で皆を虜にし、仏となり死んでいく。濃い物語でしたね、姫さま。

……ああッ！おいたわしやグロリア姫!!!

ずっと孤独の中で罪に苛まれ、責任を背負い運命の奴隷として生きてきたのですね……

なんて哀れな女性なのでしょうッッ!!!」

アルバは涙した。

「あ"………なた、、を……」

アルバは彼女を見下ろした。

「ら、いせ、で…」

アルバは眉をひそめた。

「すく、って、あげる"……」

掴まれた右手を、アルバは振り払って、立ち上がった。

「それは光栄でしてよ、仏さま。」

アルバは彼女の神杖を奪い取ると、戦場へと姿を消した＿

＿＿＿

「……嘘だろ………」

セイバーは彼女の死体を目の当たりにして、ただただ絶望した。
駆け寄って、彼女の両頬に手を添えた。

まだ薄らと意識がある。

すぐに神杖を握って、魔法を使おうとしたが……

それは、彼女の震えながら伸ばす手と、微かな声で動きを止めた。

すーっ、すーっと息を吐きながら、消え入るような声で彼女はセイバーに最後の言葉を残した。

「わ、た、しの子……」

セイバーはハッとして、彼女のお腹に手を当てた。

「い、生きてるよ…！多少の影響は取り除ける……！大丈夫だよ、それより治療を……」

「な、まえ、、こ、こここの子達はね、、、」

「な、名前？そんなの…君が本人に言ってあげてくれよ……」

視界がぼやける。

知っているんだ、聞いているんだ、

初めから、彼女たちとグロリアは会うつもりはなかったって。

「ﾋｭ-ｯ、ｽｩ、お、おねえちゃんが、あ、アンナでね……

ｶﾊｯ…………い、妹が…………

Aだよ。」

止まらない涙を拭って、ぼやける視界を綺麗にした。

「わかった、わかったよ。」

「ま、まままえに言ったこと、わすれて、な、ないよね？はあ、」

「うん。勿論。」

「あ、あ、あ、、、、

あいしてるよ"、せいばあ。」

「……う"ん、俺もだよ。」

セイバーは託されたふたつの命を優しく抱きしめた。ふよふよとシャボン玉のような玉の中に浮いているふたつの魂。