神様.27［マギ］ (ページ17)

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そして……その分け与えられたルフにも、みんなの中に元からあったルフにも、黒いイル・イラーの意志のかわりに、ソロモンの意志が宿り、ルフは白く輝き始めたのだった。

「な、に？ソロモン…」

彼女の瞳には星が宿っていた。

ソロモンはこちらを微笑み見つめる。

「だめ…そっちに行かないで……」

すべてを知ってもなお、最後の抵抗だった。

最後に、最後だけ、言わせて欲しい。

流れを否定する言葉を。

「神様になんかならなくていいよ､ずっとそばにいてよ……」

グロリアは彼に手を伸ばした。

「一緒に行こうよ、一緒になろう！」

それぞれ崇高な存在に。

グロリアは最後、しっかりと彼の手に抱きしめられた。

涙が止まらなかった。星の浮かんだ瞳から涙が溢れた。

ソロモンの身体と一緒に薄くなるグロリアの身体を見て、ウーゴは目を見開いた。

「グロリア…！まさか、君も……」

シバは大好きな二人との別れに何も声が出なかった。

愛してるよと二人に言いたいのに。

グロリアが仏になることはわからなかったけれど、神と同じような何かに変わってしまうことだけはわかった。

「グロリア…！俺にずっと優しくしてくれたのは君だけなんだ…！」

2人の体は光に包まれ薄くなっていく。

「行かないでよ……ずっと、君のことが……！！」

ふわ

「好きだったんだ……っ」

伸ばした手は暖かいルフに触れて空を切った。

ソロモンとグロリアは、2人手を繋いで歩いていったように見えた。

＿＿＿＿＿

シバたちは戻ってきた。
シバとウーゴは地面に膝をつき泣き崩れていた。

「ソ…ソロモン王…！」

彼らは絶句した。ソロモンは、ダビデにそっくりな容姿になっていた。

「グロリア……？」

セイバーは呆然と彼女を見つめた。

怪我は全て治って、包帯はハラハラと取れていた。

服が、この世界ではあまりみないようなものだった。

彼女はこちらを振り返って、薄い笑みを浮かべた。

その目にはハッキリと星の模様が浮かんでいた。

彼女の手はしっかりと、ソロモンの手を握っていたという。