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「この部屋……もう見たくもないアル……」
「やはり何も無いのぉ……」
ワヒードがファーランを抱きしめるようにしながら言う。
「…………いや、ある。」
「「えっ！？」」
「ここには強力な次元の歪みが生じている。このダビデの杖が鍵だったんだ…ダビデはこの杖を持たない者には力の隠し場所…その存在すら一切感知出来ないように細工していたんだ！」
「次元の歪み…！？」
「以前、ウーゴが話していたことだね。」
「！！そうか…『この世界にはいくつもの次元が重なり合ってる』って…それは目に見えないし、干渉するのはとても大変だって…力の隠し場所へ行くには次元を越えなきゃ行けないの？」
「何が起こるかわからない。」
「それでも俺は行く！！」
ソロモンが杖を握ると、グニャアと空間が歪んだ。
「ソロモン！！」
「誰も来るな！！」
「いや！！私も行く！！」
ダッ！！とアルバとシバとウーゴも彼の元へ駆け寄った。
「ダメ！！！！！行っては！！！！」
グロリアが声を荒らげた。彼女は何が起こるか知っていたからである。
ギュルンッッ
「！？」
「グロリア！」
セイバーが伸ばした手も虚しく、グロリアは空間の捻れに巻き込まれるように体を引っ張られて、ソロモンの方に吸い込まれた。
カァアアア！
「消えちまった……！？」
＿
カッ
飛ばされた彼らが目を覚ますと、そこは宇宙のような異空間だった。
「！！？？なんだ！？ここは…！？」
「あれ見て…！！」
「！？」
シバが指さした方をウーゴは見る。そこには穴のようなものがあった。
その向こう側には白いナニカがある。
「！？あれは…一体…！？」
ポロ…
「アルバ…？」
「お会いしとうございました……「我らが父」よ……！！」
アルバはなんと涙していた。
「「我らが父」！？」
「この世界の創造主。」グロリアがそれを見つめながら言った。
「！！」
「「
「ものすごい魔力量だ……！穴から漏れだしてる…!!?」
「そうか…ダビデの隠していた力の正体はこれだ！奴はどうやってか「神」とつながる穴を開け、「神」の身体から直接魔力を剥ぎ取り続けていたんだ！」
『神を殺そうとしている者がいる…』
「…！！『原始竜』が言っていたのは……このことだったのね!!!」
「ダビデ…なんということを。あなた…なんとおいたわしいお姿に。もうあなた様から奪う者はどこにもおりません…!!」
「…!?」
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年5月3日 18時
