4 ページ11
「…………イスナーン、お前は、無意味だと言ったな。」
「……？」
「意味ならある。」
「…………なんだと？」
「意味はあるはずだ。ダビデは死ぬ間際に言っていた。
「こうなることはすべて”決まっていた”」と……」
「……！？すべて…”決まっていた”……！？」
「奴の目的がどんなにご大層なものなのかは知らない。だがそれを暴き出す。セッタやテス、みんなの犠牲の上に成り立つ 奴の理想や、そのために蓄えている膨大な魔力を……
俺はみすごすつもりはない。
まだやることが残ってる！！」
「……！！ソロモン王…………」
「グロリアだって、その力について詳しくは理解していないはずだ。そうだろ？生まれながらに持ったその力を忌み嫌っていたはずだ。
おまえが見えるものは、「未来」なのか「運命」なのか？」
「……………………」
「そもそも、未来と運命の違いってなんなんだろう？」
「そうだ、まだ分からないことは沢山ある。彼女を責めるのもまだ早い、全てを知ってから終わらせよう。」
「ソロモン…ダビデが蓄えている魔力って、一体なんのことなの！？」
「それは…あの俺たちを閉じ込めた黒い防壁…あれを張るにはなにか莫大なエネルギーが必要だったはずなんだ。」
「そうだ……そうだった！！ダビデはそれをこの都市のどこかに隠してる！！」
「俺はそれを暴き出し、そしてみんなの手に返したい。そんなことで死者が蘇らないのはわかってる。だが、彼らも望んだ…後の平和な世界のために、その力を使うんだ。」
「「ソロモン王……」」
ファーランたちは涙ながらにこくっ！と強く頷いた。
「でもそんなもの…もう都市中見回ったけどなかったわよ。」
「……もう一度、ダビデの大聖堂へ行ってみよう。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：氷空音 | 作成日時：2022年5月3日 18時
