第119夜 別離 ページ41
ゴォオオオ……
炎の燃える音の中、少女の泣き声が聞こえた。
アラジン、アリババ、モルジアナ、白龍は、燃やされる棺の近くに立って拳を握りしめているAの後ろ姿を見つめた。
紛れもない。彼女にとってはお友達だった、ドゥニヤの葬儀が行われた。
アラジンやヤムライハ、王宮の侍医たちの尽力虚しく、ドゥニヤは原因不明のまま衰弱し死亡した。
「おい…死体を見たか？」
ヒソヒソ。
「ああ、なんだありゃあ…まるで…………
干からびた黒炭のようだった……」
アリババもドゥニヤの死に目を看取った。
その姿は、彼にそっくりだった。
「カシム…！」
『闇の金属器の後遺症か……』
「…なぁアラジン…「闇の金属器」って…なんだったんだろうな…」
「………………それも調べに行くよ、僕とAおねいさんは…
この人の故郷へ。」
アラジンは花を炎の中に投げ入れながら言った。
ヤムライハも涙しながら花を投げ入れた。
Aに至っては彼女が息を引き取った瞬間から号泣していたので、どんなに悲しくても涙にも限界はあるのか、花をなげいれる時は涙は止まったもののぐちゃぐちゃの顔だった。
白龍はそんな彼女の後ろ姿を見たあと、俯いた。
＿
「……白龍、どうしたの、？」
葬儀から時間が経ち、その日の夕方に、海岸に白龍がいるのを見つけたAはなんの理由も持たずただ彼の後ろに立った。
白龍は声で直ぐにわかったので、振り返らないまま俯いた。
Aは少し鼻声で、今振り返れば真っ赤な目を晴らした彼女が立っているのだろう。
「…少し、考えていました……
俺もこうなっていたかもしれない。何も知らずに「組織」の力を借りていたら……」
Aは何も言わなかった。
白龍は振り返る。
やはりAは少しだけ目を晴らしていた。
けれど二重幅が広くなっただけで可愛らしいのには変わらなかった。
「「アル・サーメン」と煌帝国についてはご存知でしょう？」
「……勿論。」
「国が『何か』に取り憑かれていることには…煌帝国の者たちも皆、気づいているのです。」
Aは海の方を見る白龍の横顔を見つめた。
「「マギ」ジュダルとその付き人たちは、煌帝国建国直後からつきまとうようになった…
以来、「迷宮」をはじめ、様々な形で煌の武将たちに尋常ならぬ「力」を与えてきたのです。
俺も誘いに乗っていたら、どうなっていたか…」
「…それで私は、誘いに乗っちゃったわけ？」
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氷空音(プロフ) - ももさん» ももさん！毎回コメントありがとうございます、とても励みになっています☺️頑張ります👍 (2022年3月16日 17時) (
レス) id: 5e2c75e263 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 続編おめでとうございます🎉一日に2話も出してくれて嬉しいです！無理しないでゆっくりと頑張ってくださいね！これからも応援しています‼️ (2022年3月16日 0時) (レス) @page3 id: 540177c56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷空音 | 作成日時：2022年3月14日 23時
